約 3,944,888 件
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/8688.html
ルーンファクトリー フロンティア 機種:Wii 作曲者:森田朋子 開発元:ネバーランドカンパニー 発売元:マーベラスエンターテイメント 発売年:2008年 概要 ルーンファクトリーシリーズの3作目にして初の据え置き機用ソフト。 初代の『ルーンファクトリー -新牧場物語-』の主要キャラが新設定で登場するなどリメイクに近い形となっている。 音楽はおなじみ森田朋子氏が担当。初の据え置き作品だけあってかなり多くの曲数が用意されている。 ヒロインたちが普段鼻歌で歌っている「信頼の歌」が、ラスボス戦で重要な意味を持つようになる。 サントラは発売されていないが、『ルーンファクトリー4』の蓄音機で本作の1部のBGMが視聴できる。 収録曲(1部仮タイトル) 曲名 作・編曲者 補足 順位 The Sweetest Time 中塚武 オープニングテーマ歌:内藤響子 フロンティア 森田朋子 タイトル画面 トランルピアの春 フィールド:春 新天地の部屋 自宅 のどかな日常 商業地区、みんなの広場 トランルピアの人 民家など トランルピアの集い 店 教会 時計台 ルーンワンダー 夜の酒場 スノースタイル わかくさ わかくさの遺跡 幕開け わかくさの遺跡のボス戦 トランルピアの夏 フィールド:夏 ヴィヴィアージュ別邸 トランルピアのお祭り クイズ大会 スーパーおじいちゃんタイム カンロの特別問題 結果発表 各競技の結果発表 お鍋のうた タバサの歌 つるくさ つるくさの遺跡 囲まれた! つるくさ遺跡のボス戦 くじら島 くじら島の入り口 探検 くじら島の洞窟内 暗闇を抜けて くじら島の外エリア あやしい場所 くじら島の塔 シビれる! くじら島のボス戦 トランルピアの秋 フィールド:秋 あぶない! 危機イベント 精霊の戦 黒エリス戦 精霊 エリスの歌 取り戻すんだ ラスボス戦 みんなの力で~信頼の歌 ラスボス戦(イベント発生後)歌:今野宏美 ラストバトル182位第2回マイナーゲーム223位 トランルピアの冬 フィールド:冬 誰もいない クロスのイベント ライバル ワーグナーのイベント トランルピアの雪 フィールド:雪 ゆきくさ ゆきくさの遺跡 立ち向かえ ゆきくさ遺跡のボス戦 デート プロポーズ トランルピアの結婚 結婚式 新天地の家族 自宅(結婚後) 帰ろう エンディング~スタッフロール
https://w.atwiki.jp/orakafee/pages/25.html
パスワードの使用方法 E-MALEのところで「#」の後に自分のパスワードを入力してください パスワードを入力すれば、名前を入力しなくても投稿した時に名前が表示され、名前の色がオレンジ色に変わります 入力例.「#aiueo」 パスワードの手に入れ方 現在未定ですが、書き込み数が多かったりだとかそんな感じにしたいと思ってます
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/31362.html
あしたのはすわーど【登録タグ JASRAC管理曲 VOCALOID ZOLA PROJECT KYO ZOLA PROJECT WIL ZOLA PROJECT YUU あ 曲 曲あ 脚P 銀河方面P】 作詞:銀河方面P 作曲:銀河方面P 編曲:銀河方面P 絵:maa 映像:あひる ロゴ:あんよくん(脚P) 唄:ZOLA PROJECT 曲紹介 明日のパスワードを解いて自分だけの答えを探しに これから新しい世界へ飛び出していく人達の歌! 曲名:『明日のパスワード』(あしたのぱすわーど) 歌詞 (作者ブログより転載) 縺れた時のリファレンスに 書き換えられたシステム 自分の存在 その意味さえ 迷うこともあるね 代わり映えしない 毎日の中で 回る歯車止めて 最後のリミッター 外せば希望に手が届くよ 明日のパスワード 解いて僕だけの答え 探し続けたい アクティブな気持ちで ほんの少しくらい 失敗したっていいさ 大切な夢は どんな時でも ここに溢れているよ 確かなモノは何もなくて 流行のホログラフィー 飽きてしまえば あっという間に デリートされている そんなもんじゃない 護りたいのは 等身大の想い 難題だらけでも あきらめないで飛び越えよう 明日のパスワード 解いて君だけの答え 探し続けよう アクティブな気持ちで 勇気抱きしめれば 巻き起こせるさ センセーション 叶えたい夢は どんな時でも ここに溢れているよ 明日のパスワード 解いて僕だけの答え 探し続けたい アクティブな気持ちで ほんの少しくらい 失敗したっていいさ 大切な夢は どんな時でも ここに溢れているよ コメント 追加乙です! -- 名無しさん (2015-02-13 13 44 51) 間奏のギターがフュージョンみたいでかっこいい -- 名無しさん (2015-02-13 15 52 29) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/polochan/pages/172.html
パスワードを入力してください 7(作成中) 8(作成中) 9(作成中) 4(作成中) 5(作成中) 6(作成中) 1(作成中) 2(作成中) 3(作成中) 0 ヒント棒ロボの形式番号
https://w.atwiki.jp/chattystone/pages/32.html
コントロールパネルログインパスワード変更 コントロールパネルにログインするためのパスワードを変更します。 現在のパスワードを入力した後、新しいパスワードを入力(同じものを 2 回)して、「登録」ボタンをクリックして下さい。 「新しいパスワードを登録しました。」と表示されたら、パスワードの変更完了です。
https://w.atwiki.jp/kattenisrc/pages/1161.html
808 :名無しさん(ザコ):2013/05/06(月) 20 48 35 ID 8edbFsqc0 小牟(無限のフロンティア)(無限のフロンティア) 同じく主人公じゃなくなったゲスト出演の時。 合体しなくなって劇的に運用が変わったのはむしろこちらの方だろう。 当たれば脆いリアル系なのに、回避398Sサイズとはいえひらめきも集中もないので絶対的な回避は期待できない。 相方同様、強化された攻撃に重点を置くべきだが、パイロットの攻撃力が少し弱い格闘依存の武装も多い上に、こちらからは合体技も使えない。 気力が上がれば回復アビリティも使用可能なので、器用貧乏な運用法になりかねない。
https://w.atwiki.jp/smoksan/pages/524.html
リアルフットボールフロンティア 公式ゲーム大会のこと。 2010年1月より各主要都市で地区大会が行われ、3月28日に決勝大会が行われた。 脅威の侵略者では地区予選から本戦まで色々と(主に通信ラグとかの)問題もあったようだが、 なんだかんだで大盛り上がりだったので、世界への挑戦!!での開催も社長ツイッターでほのめかされた。 3つのクラスが存在し、シングル小学生の部、シングル中学生以上の部、ダブルクラス共に大盛況であった なかでも決勝トーナメントは巨大スクリーンで映し出され、最大級の盛り上がりを見せた。 ネット各所では染岡さんを使ったものの北海道から来た少年たちに負け惜しくも準優勝だったマンゾクドウメイをはじめとして色々な英雄達が話題となった。 シングル中学生以上の部で優勝したネッケツパンツ(女性)はパンツ姉さん、パンツさんと呼ばれるアイドルとなり、 小学生以下の部準優勝のミッキージャパンはまさかの守護神ピエローヌ様であったり、 荒谷紺子にゴッドノウズを使用させ、しかもそれでその試合に勝利したラビッツジャパンなどなど、 観客達も満足するシチュエーションが満載であった。 大会終了後はファイナリストたちがゲームスレに大集合した。それにしても2ちゃんねらー大杉である 大会終了後はネタバレPVを流し、きれいな不動に対する歓声を間違えた解釈で受け止めた大人もいたとかいないとか しかし会場限定キャラ&アイテムは地方の人や忙しい人(とその子供)にはとてもじゃないがキビシイので、 もうちょっとどうにかしてほしいものである。 【関連】 フットボールフロンティア FFI セキヤン 四天王決定戦
https://w.atwiki.jp/alexish/pages/15.html
すっかり忘れていたこのブログ。 怒られますね。 でも久しぶりに書いていきたいと新たな思いに駆られました。 そして、ログインしてみると、なんとパスワードが違う。 これは消されてしまったのかと思いました。 でも、パスワードを忘れたところから、再度、メールで、新しいパスワードがもらえました。 よかったよかった。 これで再開ですね。
https://w.atwiki.jp/spangya/pages/30.html
パスワード研究室 Wii→PCパスワードで現在分かっていること パスワードはソフト、セーブデータに依存しない。 つまり、誰かがコンプしたデータがあれば、それをSDカード経由でWii本体にコピーすることで、その本体固有?のパスワードを取得できる。 これは同時に、複数パスワードが欲しい場合ソフトを複数買っても無駄で、Wiiを複数台用意するしかないということでもある。 ※フルコンプのデータは神のうpを待つのもいいけど、折角のゲームだから自分でコンプした方が達成感もあっていいと思う * 168 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2006/12/15(金) 10 19 42 ID MjZXX9Os データ消してパスが変わるかやってみた 検証>セーブデータ作成時の名前を変え、ケンのフェスタを全てクリアしる 結果>初期登録の名前を変えようがパスは一緒だた… 漏れの費やした時間はムダじゃなかったと言ってくれ…_| ̄|○
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3845.html
「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。 本項目では1997年に発売されたPS版と、2021年にPS4/Switch/Win/iOS/Androidで発売されたリマスター版を共に解説します。 判定はどちらも 良作 です。 サガ フロンティア 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 その他 サガ フロンティア リマスター 概要(リマスター) 追加点(リマスター) 評価点(リマスター) 賛否両論点(リマスター) 問題点(リマスター) 総評(リマスター) 余談(リマスター) サガ フロンティア 【さが ふろんてぃあ】 ジャンル RPG 対応機種 プレイステーション メディア CD-ROM 1枚 発売・開発元 スクウェア 発売日 1997年7月11日 定価 6,800円 (税抜) プレイ人数 1人 レーティング CERO C(15才以上対象)(*1) 廉価版(税別) スクウェアミレニアムコレクション2000年6月29日/3,990円PS one Books2002年3月20日/2,625円アルティメットヒッツ2006年7月20日/1,575円 配信 ゲームアーカイブス2008年11月26日/600円 判定 良作 ポイント GB『サガ』と『ロマサガ』の融合各7人の主人公で異なる物語が展開GB『サガ風』多種族ごった煮世界観「連携」システム初登場 サガシリーズ 概要 それまでのカセットロムからCDロムに変わり、"フロンティア"のタイトル通り新境地を目指した『サガ』シリーズ7作目にして初のPS系列での発売となる作品。 『サガ』シリーズはプレイヤーを選ぶ作風と高難易度かつ難解なシステムで有名だが、この作品はそれらのハードルが比較的低い。 戦闘バランスも不条理な部分は抑え目のため、シリーズの中でもかなり遊びやすい・とっつきやすい部類に入る(*2)。 開発当初の仮タイトルは『ロマンシング サ・ガ4』であり、ロゴやタイトル画面まで作られていたが、ハードの移行に伴い改題された。 後に同じく「サガ フロンティア」の名を冠する『サガ フロンティア2』が2年後に発売されており、連携システム等も引き続き登場しているが、 一方でゲームの方向性としては、続編ではなく別作品と言える程に本作とは大きく異なっている(詳細は当該項目を参照)。 以下、本項目では便宜上、過去作であるゲームボーイで展開された『魔界塔士Sa・Ga』や『Sa・Ga2 秘宝伝説』等をGBシリーズ、 スーパーファミコンで展開された『ロマンシング サ・ガ』シリーズを『RS2』『RS3』『RS』シリーズ等と略記する。 特徴 世界観 本作の世界は「混沌」と呼ばれる空間の中に「リージョン」という小世界がいくつも存在しており、それぞれ全く異なる文化や世界観を持っている。 例を上げると近未来的大都市「マンハッタン」・退廃的なサイバーパンク街「クーロン」・術法文化の中心地「マジックキングダム」・純和風の「京」・現代日本の町並みに近い「シュライク」・リージョン全てが警察署という「IRPO(*3)」など。各リージョン間はシップ発着所から「リージョンシップ」に乗って移動する形式(乗船は基本的に無料)。ただし中には妖魔の世界「ファシナトゥール」、巨大監獄「ディスペア」、影の世界「オーンブル」などシップでは行けず他の手段で訪れる必要があるリージョンも存在する。 他に、一部の主人公のシナリオ限定で訪れることが可能なリージョンもあり、滅亡寸前の揺籃の地「マーグメル」や、多くの屑鉄が採掘できる「ボロ」などが該当する。 「混沌」を宇宙空間、「リージョン」を惑星、「リージョンシップ」を宇宙船に例えると分かり易い。リージョン毎に規模は様々だが、概ねその名の通り一地域分と考えていい。 中世風からSF風に現代風、果ては色物とそれぞれの世界が全く独自の文化を持っており、おもちゃ箱をひっくり返したような無節操ぶりを誇る。そのため世界観構築の放棄と批判されることもある。 特に中世ファンタジー世界で統一されていたRSシリーズから入ったファンからは、現代文明から近未来社会まで取り入れたこのリージョン設定に違和感が生じたところもあるだろう。 しかしこの世界観は実はサガシリーズの原点であるGBシリーズに近いものである。そしてその開き直ってむしろ気持ちのよい多色ぶりや、意外と深みがあるそれぞれの世界の内容もあいまっておおむね好評。 そのためGB時代からの古参ファンの受けは良く、GBシリーズからの正統進化と認識されることも。 種族は大きく4つに分かれており、大器晩成に育ち覚えられる技・術が多彩な「ヒューマン」、装備品をつけることでステータスを上げる「メカ」、倒した敵の技を吸収して別のモンスターに変身できる「モンスター」、専用の武器にモンスターを封じることでステータスを上げ、技を吸収する「妖魔」がある。GBシリーズ初期に存在した4種族のうち、エスパーが妖魔に代わった形であるが、種族特性は大きく異なる。 加えて、通常はヒューマンの特性を持つが、条件を満たすことで強力な強化が得られる「ヒーロー」「半妖」という種族もある。 どの種族にも長所と短所、使用技能の差があり、ゲーム進行の点で「使えない」種族はない。シナリオによって仲間にできる種族の偏りはあるが、どんな編成であってもそれが原因で詰むことはない。 最終的に最強になる種族は覚えられる技の多彩さや頑張ればカンストまでいけるステータスなどからヒューマンなのだが、他の種族は成長方法のコツさえつかめれば短時間で強くなれる利点があり、種族固有の特徴や技も面白い。 + 各種族の特徴を説明すると… 「ヒューマン」 人間。従来のサガシリーズ同様、戦闘によってパラメータが成長し、技や術法、見切りを習得する。RSシリーズから入ったプレイヤーは最も馴染みやすい種族と思われる。ヒューマンに限った話ではないが、本作ではRS2・RS3の技術レベルシステムが廃止されている。 その反面、筋力・運動性・知力・魅力等の各種ステータスが固定値ではなくなった。GB2のように、戦闘中に取った行動によって、戦闘終了後にランダムで上昇する仕様となっている。ただし、RS1程ではないが個人ごとに定められた成長傾向は存在する。 技は「剣技」「体術技」「銃技」の3種類。特定の攻撃を回避する「見切り技」もヒューマンの特権。 RS2・RS3では「閃き」によって技を習得していたが、本作では銃技のみ戦闘終了後の学習によって習得する。何かと面倒だった技道場システムや極意システムは撤廃され、習得した技を任意に付け替えられるようになった。その代わり、習得した技を別のキャラに付け替えられなくなった。習得した技はあくまでそのキャラのもの、という扱いである。 術法はRS3と同様に、術法専門店から購入して習得する。ただしRS3と比較して価格は大幅に抑えられた。 術法も技と同じく自由な付け替えが可能。ただし相反する属性の術法の同時所持は(特定キャラを除き)不可能。特定条件を満たす事で術法の「資質」を得る事ができ、資質を持つキャラは戦闘終了後に新たな術法を学習できる。 見切りを除いた「技のみ」または「術法のみ」を6つ以上装備すると「達人」となり、技または術法の発動コストが1減少する。更に閃きや戦闘終了時の技・術法習得が起きやすくなる。 成長には戦闘回数をこなす事が必須であり、良くも悪くも大器晩成型。じっくり育てよう。 他種族は素で持っていることも多い状態異常への耐性が全くなく、装備品で補うことになる。厄介な異常への耐性装備が得られないと、厳しい戦いでパーティの穴になることもないではない。 「妖魔」 生得的な力のみで階級や性格が決まり、後天的な成長・変化に乏しい種族。努力で得た能力を認めず、生まれ持った力が貴賤を定めるという絶対的な階級社会を築いている。そのため他種族から離れて排他的に暮らしている者も多い。また、力の強いものほど容姿が美しいという設定も持ち、それを反映して主要キャラクターの上級妖魔は概ね美男美女に、モブや雑魚敵の下級妖魔は半獣等にデザインされている。 技欄に妖魔の剣/小手/具足という3種類の妖魔武具を持つ。いずれも装備品ではなく、ダメージと即死効果を持つ攻撃技である。これらの武具でモンスター種族の敵を攻撃してHPを0にするか追加効果で即死させると、モンスターを武具に憑依させられる(*4)。 憑依させるとその妖魔武具に則したモンスターの固有技が1つ使えるようになり、更にパラメータ補正も得られる。固有技は、同じ敵でも憑依させた武具に依存して変化するため、各モンスターで3種類の技がある事になる。このため、単純にパラメータ補正値の高さだけでなく、有用な能力を持つモンスターを的確な武具に憑依させる事も重要となる。 戦闘後の成長はHP・WP・JP・CHA(魅力)のみ。それ以外の素のパラメータは一切成長せず、低めの値で固定。ただし初期状態では妖魔武具を一部しか持っていないキャラクターも居り、戦闘で成長することによって新たな武具を取得できる。 殆どの妖魔は数種類の状態異常に対し耐性を持つ。中でも上級妖魔は状態異常に対しとても強く、仲間にできる妖魔の殆どは上級。味方の上級妖魔は敵の下級妖魔による被ダメージを1/4に減らすことができる。妖魔系の敵は殆どが下級妖魔なので圧倒的に味方が有利。なお、敵側にも上級妖魔とされるキャラはいるが、こちらは味方側の下級妖魔でも通常ダメージを与えられる。 使用できる技能は、術法4種と妖魔武具の固有技のみ。妖魔は必ず妖術の資質を持ち、他の術の資質を得て新たな術を覚える事もできるが、装備枠が少ないため術の達人にはなれない。 剣技・銃技・体術技・見切りは一切習得できないが、武器や銃による通常攻撃やパンチ、重火器を含む固有技は使用可能。 全体的な成長には戦闘回数が必要なものの、妖魔武具憑依で比較的簡単に能力ブーストや技取得ができるため、的確な憑依モンスターを選べばそこそこの攻撃要員として速成も可能。ただし最終的な戦闘力は使える技・術の点でヒューマンに劣る。 また、胴防具は上級妖魔の証である「妖魔の鎧」で固定されており、外すことができない。状態異常には強いものの、終盤でも他の「鎧」系防具を装備できないためやや脆い。 例外として下級妖魔のメサルティムは耐性が少ない代わりに鎧を持たず、上級であるがヌサカーンは固定装備が「服」に分類される「妖魔の白衣」となっており、この2名はさらに任意の「鎧」系防具を装備可能であるため装備面で自由が利き、他の妖魔より強化しやすい。その上メサルティムは固有装備で「メイルシュトローム」と「生命の雨」という強力な技を使えるため、設定とは裏腹に上級妖魔を差し置いて最強の妖魔と呼ばれることも多い。 「モンスター」 様々な姿のモンスター。本作では4種族の一員として街の住人としても普通に溶け込んで暮らしており、一般的なRPGで登場する「魔物」とは趣が異なる。ヒューマンや妖魔のような技術が基本的に使えない代わりに、モンスター専用技の「モンスター能力」を使用できる。 戦闘後に倒した敵モンスターから技を吸収・修得し、その組み合わせ次第で全く別のモンスターに変身できる。特徴や性能は変身したモンスターの姿によって様々に変化する。 モンスター種族はスライムや竜、アンデッドや植物型等、姿をどんどんと変えていけるが、作中では「人が服を着替えるように、モンスターは姿を自在に変えられる」と説明されている。設定上は「基本の姿」を持っており、仲間のモンスターは姿を変えたとしてもメニュー画面では元々の姿で表示され、戦闘中のみ変身した姿になる。ただし変身システムの都合から、設定上の最初期の種族の姿に戻ることができなくなるキャラクターも存在する。 変身するモンスターは、吸収した技の組み合わせや、変身前の最大HPの値で決まる。技は最大で8つまで所持でき、変身に影響しない技もあるため、ある程度のカスタマイズもできる。 GBシリーズにおけるモンスター種族の肉変身に相当するが、本作では能力を自分で組み換えることができるため自由度が上がっている反面、単に素体だけを強いモンスターにしても能力が揃っていないと貧弱となってしまう。 習得した事のない技を習得すると、最大HPに補正がかかる(1個につき + 4)。このため、同じ技ばかり吸収していても強くならない。弱い能力や変身に邪魔となる能力は無視するのではなく、早めに吸収した上で忘れてしまうことでHPの糧とする等の戦略がある。 なお、最初から吸収済として設定されている技もいくつかあり、キャラ別やシステムデータレベルによっても異なる。何を吸収済なのかはマスクデータになっているため、プレイヤーが初めて見た技でも既に吸収済となっている可能性もある。 変身を完全に使いこなすには攻略情報が必須レベルだが、うまく使えば序盤から中・上級のモンスターに変身することも可能で、即戦力になりうる。 反面、変身システムがやや複雑なため情報無しでは強いモンスターになることが非常に難しく、攻撃技のダメージが低めなので最終的な戦闘力は他種族に劣り、変身を制御できないと弱いままということもありうる。 使える技能は基本的にモンスター能力のみ(術法を持つ麒麟のみ例外)。モンスター能力は攻撃技のダメージが低めな反面、補助やステータス異常付与などバリエーションには富んでいる。対応属性無効+直接攻撃に自動反撃するバリアや、貴重な全体HP回復技など、非常に有用なものも。 習得可能数は8枠だが、ヒューマン等のような能力の封印・再習得ができないため、新しい能力を覚える場合は基本的に古い能力に上書きして入れ替えとなる。技術欄で一番下の技が上書き対象となるため、予め不要な能力を移動しておく必要がある。 なお、最初から術を持つ麒麟についても術が能力扱いとなっているため、他のモンスター能力を覚えたい場合は術を上書きすることもできるが、術を吸収できるモンスターは存在しないため一度忘れると再習得不可能。 一部のレアな能力についても同様に一度忘れると取り返しがつかないため、上書き枠に貴重な能力を置きっぱなしにすることを避けなければならず、さらに変身には能力の並び順も大きく影響するため、他種族以上に定期的に技欄を開いて配置に気を使う必要がある。 装備可能品はアクセサリ限定で4枠のみ。ただし、変身したモンスターによっては素で耐性や高防御などを持つものも居る。変身次第とは言え、ほぼ全ての状態異常に耐性を持つことが可能で、なおかつ敵から特効を受けない(あるいは受けても軽微である)種族はモンスターだけである。 「メカ」 ロボット。本作でプレイヤーが使える全てのメカは、単なる戦闘機械ではなく独自の人格を持っており、モンスター種族と同様に一般の街の住人としても暮らしている。 人格が設定されているのは内蔵のコア部分。ボディ部分は単なるパーツにすぎない。 戦闘によるパラメータ成長はないが、装備によってパラメータが補正される。剣ならSTR(近接攻撃力)、頭防具はINT(技スロット増加)、霊感グッズはPSY(術法攻撃力)、銃器や重火器はWIL(火器攻撃力)が上がるなど。更に同じ部位の防具を複数装備することが可能で、パラメータ1つ程度なら上限を達成するのも容易。 GBシリーズにおけるメカ種族と似ているが、本作では武器の使用回数には影響せず、装備によるパラメータ強化のみに特化した形となる。 防具の複数装備で簡単に高い防御力を得られ、武器に対応したパラメータを徹底強化する一芸仕様で、攻撃面も手軽に実戦レベルにできる。コツを掴めば最も即戦力として使いやすい。 「メカの強さ=装備品の量と質」なので、強化にはお金や運が絡み、またレアアイテムによって性能が激変する(*5)。 なお、各種アイテムにはメカ装備時専用のパラメータが別々に設定されており、金属製の装備とは非常に相性が良い反面、布や革製品などは不向き。そのため、ヒューマン・妖魔にとっては優れた装備もメカには有効とは限らない。その逆も然り。 他種族のような技術が使えない代わりに、メカ専用技として「プログラム」が存在する。習得は敵メカとの戦闘後にデータを抽出することで行う。習得できなかった場合はWPが全快する。他種族より戦闘回数の重要度は低いが、敵のメカ系モンスターとある程度戦闘しないと技の習得に支障があり、WP回復にも難がある。 技術欄が「メモリ」に例えられており、INT(知力)の高さがその最大数に直結しているため、ある程度高くしておかないと装備できるプログラムの総数も減ってしまう。WPコストを必要とするプログラムを6個以上積めば、ヒューマンの技の達人と同じように「プログラムの達人」になることも可能。また、一部プログラムは見切りと同様の機能を果たす。 ボス等特定のメカ系モンスターからしか習得できないレアなプログラムや、特定の装備品と併用しないと使えないプログラムもある。 状態異常に強く、石化も無効。一方で磁気嵐や論理爆弾といった対メカ技には非常に弱く、複数の状態異常に同時にかかってしまう。 回復は他の種族と違い、インスタントキット等のメカ専用の手段が必要になる。傷薬は無効で、術法によるHP回復も本来の25%に低下する。他種族に比べて最大LPが非常に多い傾向にあり、倒されてもLPが尽きる事態は起こりにくい。代わりに、バトルを別パーティで戦わせて休ませても、メカに限り減ったLPが自然回復することはない。 メカにはそれぞれボディタイプが設定されており、個体差が大きいのも特徴。ボディタイプによって習得できるプログラム、固有装備などが異なり、使い勝手に差がある。 固有装備が基本パーツしか無いが空きスロットの多いタイプ1、メカを回復できる貴重な装備を持つタイプ6、医療用でヒューマンなどを回復できる代わりにあまり強力な攻撃用プログラムは習得できないタイプ4など。 ちなみにT260G編のみ、T260Gのボディタイプを別のタイプへ変更できる。シナリオを進める事で強力な装備を搭載した「オメガボディ」を入手可能。この「オメガボディ」では全、攻撃方法の中で2番目に強力な技を使用できる。主人公の特権である。 「ヒーロー」 リージョン「サントアリオ」を拠点とする超人種族であり、IRPOとはまた別の方法で陰ながら正義を実行している。ゲーム中では主人公の1人であるレッドと、レッドを救うアルカール(*6)が該当する。レッドは死の際でアルカールから力を授かり、新たなヒーローとして立つことになる。 レッドの場合、通常はヒューマン同様の特徴を持つが、戦闘中に後述の条件を満たすとヒーロー「アルカイザー」への変身が可能。変身すると全能力ブースト、気絶と精神攻撃の無効化、強力なヒーロー技を使用可能など、多大な強化を得られる。反面、変身した状態では戦闘終了後の成長が一切発生しない。 技の閃きだけは発生し、新たなヒーロー技も閃ける。基礎能力を鍛えるためには変身に頼らずヒューマンとして修練を積む必要があるが、ヒーロー技を習得するためには変身した状態でも戦っておく必要がある。 ヒーロー技は通常の技よりダメージ倍率が高く、ヒット時に爽快な効果音とレンズフレアを放つなど、演出にも力が入っている。なおヒーロー技はシステム上の分類は剣技および体術なので、他の物理系の技との組み合わせであれば達人状態を維持できる。 変身には厳しい制約があり、通常戦闘で使うには「パーティ内の自身とメカ以外の仲間が気絶・暗闇・精神系状態異常になっている(あるいは仲間をメカのみにする)」必要がある。「ヒーローは正体を目撃・口外されてはならない」という掟に基づいているが、メカは「口が固い(*7)」ので変身を目撃されてもセーフという設定。 通常戦闘で変身を多用するならメカ以外の仲間とは相性が悪いが、レッド編ではイベントやボス戦が強制的に変身状態になってから行われる場面も多いため、見せ場は十分にある。 「半妖」 ヒューマンと妖魔の中間的存在で、両方の特徴を併せ持つ。非常に稀な存在であり、作中では事故の後オルロワージュの血を取り込んで蘇ったアセルスのみが該当する。 通常はヒューマン同様の特徴を持つが、戦闘で特定の条件を満たすと妖魔武具を取得する(*8)。戦闘中に妖魔武具を使用することで一時的に「妖魔化」し、上級妖魔補正、妖魔武具憑依モンスターのパラメータ補正、固有技が付与される。妖魔化するとパラメータ成長は妖魔準拠になるが、技の閃きは可能(*9)。 本来ヒューマンはパラメータのカンストが近付くと成長が極端に鈍るが、半妖は成長しきっていなくても妖魔化による強化を乗せれば補正でカンスト相当になれるため、閃きで得た最強クラスの技をカンストパラメータで繰り出すことが比較的容易にできる。 純粋な妖魔と違って妖魔武具を「封印」できるのも特徴であり、ヒューマンのように技術欄を8枠分フルに使っていくこともできる。妖魔武具を1つだけ残しておけば妖魔化も可能で、さらになんと封印されている分の妖魔武具のパラメータ補正も乗る。 反面、純粋なヒューマンより成長性がやや鈍い、妖魔化しても本来上級妖魔に存在する睡眠・混乱・誘惑・バーサーカー耐性が付かない(*10)などの欠点もあるが、それでも両方の種族の長所を受け継いでいる部分が多く、強力な種族と言える。 アセルス編では強力な剣「幻魔」を序盤から(*11)入手できることも手伝って、早い段階から他の主人公とは一桁違うダメージを叩き出せる。 ただし幻魔はステータス上方補正があるため、ただでさえやや鈍い半妖の成長性の悪さに影響してしまうため、ある程度育ったら別の武器にしたほうが良い。 シナリオ 本作では、RS1・RS3と同じように複数の主人公の中からプレイしたい主人公を選んでからゲームを開始する。しかし、本作の最大の特徴は主人公それぞれでメインシナリオの内容が全く違い、ラスボスですら個別ということにある。 RSシリーズでは違う主人公を選んでも基本的にメインシナリオの違いは殆どなかったため、その点で一線を画している。 主人公ごとのシナリオの色合いもかなり違いがある。 冒険の舞台そのものは共通の「リージョン界」であるため同社の『ライブ・ア・ライブ』程の激しい差異ではないものの、ごった煮世界観の助けもあって、主人公毎にまるで全く雰囲気の異なるゲームのような様相を見せている。後述のように、正統ファンタジー系、王道ヒーロー物、耽美系、メカSFなど、ジャンルのバリエーションも様々。 シナリオの設定原案は主人公毎に別の人物が担当している。当初はシナリオライター名が記載されていなかったため、その原案のスタッフがそれぞれのシナリオを手掛けていると思われていたが、後にディレクターの河津秋敏氏によって、最終的なシナリオ構築は従来のサガシリーズと同じく全て河津氏自身の手によるものだったと後のインタビューで明かされている。 各シナリオで仲間として加入するキャラクターも異なる。 メインシナリオに関わるメンバーが必須加入であったり、メカが多い、妖魔が多いなどの特徴がある他、逆に特定の種族が一切仲間に出来なかったり、特定のシナリオでしか登場しないメンバーがいるという極端なケースもある。 さらに、各シナリオ毎に独自の特典要素がある。主人公が特殊な種族であったり、自身のシナリオ中では他の同種族に無い便利な特徴を持っていたり、シナリオ限定アイテムを入手できる等、内容は様々。 ほとんどの術を習得できる唯一のキャラであるブルー、町工場などで自身のボディタイプを変えられるT260G、衣装を変えることで得意な(習得しやすい)技能を変えられるエミリアなどが該当する。妙に人に慕われやすいという設定を持つリュートの場合は「第1パーティーから外せる(*12)」という特徴がある。 + 各シナリオ解説(ネタバレ注意) ブルー編 戦いの運命を決定付けられた双子の物語。魔術都市「マジックキングダム」で術士としての門出を迎えた青年・ブルーは、学院から旅立つ時点で各リージョンを回って習得可能な全ての術の資質を集めた後、双子の弟・ルージュを殺すことを命じられている。同じ使命を学院から与えられて同様に術の資質を集めた双子の兄弟を倒すことで、双子であることの特性により相手が集めた資質も吸収して勝ったほうが多くの術を使いこなす最強の術士になることが両者に課せられた使命。 この世界における術の設定と、術の習得法を兼ねるチュートリアル的シナリオで難易度は低め。 術の資質を集めるというストーリーのため、他主人公ではサブイベントである術習得が必須イベントに割り当てられている。ただし相反する系統はどちらか一方で良く、終盤以外は周る順番も任意のため、進行の自由度そのものは高い。 シナリオ終盤では術を極めた「最強の術士」となるが、その分ラストダンジョンやラスボスの難易度も高く、序中盤がぬるめで術も一通り揃ったからといってきちんと育成もせずにラスダンに突撃すると詰む。一応救済措置は用意されている。 シナリオ特典として魔術のゲートを利用した移動アイテム「リージョン移動」を最初から持っているため、一度訪れたリージョンであればシップに乗らずに素早く移動できるのもブルーの特権。 クリアに必要な必須イベントにかかる時間やリージョン間の移動時間が短いこともあって、リュート編(後述)と並んでタイムアタックがやりやすいシナリオでもある。 エンディングがかなり独特なため、そこは賛否両論(*13)。 スタッフロール自体は双子の弟と戦った後の時点で流れるため、それ以降は「最後の戦いも含め全てがエンディング」と見ることもでき、後にディレクターの河津秋敏氏も「ブルーのラスボスはルージュでラストバトルはオマケです」と自信のTwitterで明言している。 主人公の中でも序盤から衝撃的な展開のオンパレードだが、それゆえに終盤におけるブルーの出生や存在意義への悲哀が際立つ。 ブルー以外の主人公でマジックキングダムを訪れた際に聞ける陰術と陽術を合わせた超高位術「命術」を使えるようになるのもブルー編の特典。 彼は双子の特性により「心が二つに分かれて」いるため、それが解決するまでは「心術」の資質を身につけることができない。また良心や性欲といった本来人間が持つ感情が欠如しており、他の主人公のシナリオでは決して仲間にならない。 なお、心術と相反する邪術、ブルーとルージュが両方資質を持つ魔術と相反して妖魔が持つ資質である妖術は、資質を取得することはできない(*14)。 アセルス編 閑静な都市リージョン「シュライク」に暮らす少女・アセルスは、次元の壁を抜けて現れた妖魔の君・オルロワージュの馬車に跳ねられ命を落とすが、偶然彼の血を受けたことで半妖として蘇り、気まぐれとして彼の城に連れ去られる。冷酷なオルロワージュに屈することを拒んだアセルスは、教育係として付けられた妖魔・白薔薇姫と絆を深め、絶対的な力を持つ妖魔の君からの逃避行に旅立つ。 妖魔の追っ手からの逃避行と、その中での半妖の血による苦しみや、大切な人を失うなどの不幸を経て、己の血との決別、そして自分自身が一人の生物として生を全うするために妖魔の君との決着をつけるというお話。 生田美和氏の設定原案を元にして河津秋敏氏が手がけた一連のシナリオは評価が高い。 なお、裏解体真書では生田氏によるアセルス編の膨大な設定資料原案の一部が数ページに渡って紹介されているが、それを元に河津氏によって構築された実際のゲームシナリオでは都合上により一部しか取り入れられていない。 開発中に相当イベントを削られたらしく、生命科学研究所・フルドの工房など元々はシナリオ上使われるはずだったが製品版では特にイベントの無いダンジョンが所々に残っている。 ただしイベント進行フラグが特殊で、何も考えずに進めると各地で突然強力な追っ手が現れるなどの事態が起こるなど詰まりやすく、難易度はやや高い。 追っ手が現れ始めると、戦闘を1回以上→各地の「イベント発生ポイント(主に人気がない場所に設定)」を2回以上通過、という条件でイベントが進むため、下手にダンジョンに潜るとろくな育成もできないまま追っ手に襲われるという事態も起こり得る。 一応これを防ぐ対策もあるが、それは「序盤で自宅に帰ると追っ手が現れ始めるため、まだ自宅に帰らずに各地で仲間を集めて鍛える」というもの。しかし、シナリオ上の誘導ではどう見ても明らかにすぐ自宅に帰宅するのが自然な流れであるため、初見の場合はよっぽど捻くれたプレイヤーでも無い限りどうしようもない。 アセルス自身が「半妖」という他に無い種族である上、序盤から強力な装備品を手に入れられるものの、初見殺しの強力なボスや強制イベントも多く、決して楽なシナリオではない。 妖魔が主軸となるシナリオだけあり、多くの妖魔を仲間にできる。アセルスを戦闘中に妖魔化させれば妖魔オンリーの第一パーティを組める。一方で「妖魔は機械を嫌う」という設定のためか、メカは一機も仲間にできない。 半妖は強力な反面、アセルス自身の成長自体は通常のヒューマンよりやや鈍く、さらに序盤の仲間も妖魔が多いため、癖の強いこれらの種族を上手く使いこなす必要がある。不安ならサブシナリオでヒューマンの仲間も集めておくのが良いだろう。 アセルス編ではエンディングが人間・半妖・妖魔の3種類ある。人間ENDと妖魔ENDは条件がやや厳しく、これらの条件から外れると半妖ENDに辿り着くため前者2つよりも比較的見やすくなっている。 人間ENDは条件の関係から妖魔武具の使用が事実上制限されるため、これを目指す場合はアセルスの特徴である妖魔化をあまり活かせず専らヒューマンとしての運用になる。 妖魔ENDは後味がやや悪く実質的なバッドエンドとなっている上、アセルス編を最後にして妖魔ENDでクリアした場合、全キャラクリア後に行けるスタッフルームでの当たり判定が消滅してしまい、せっかく辿り着いても何もできなくなってしまうというバグまで存在している。 全編に漂う耽美・陰鬱・退廃的な雰囲気、女性同士の恋愛感情の描写といったシリーズでも異色の要素に溢れているため、何かと取り沙汰されることも多いシナリオである。 レッド編 家族を悪の組織ブラッククロスに殺され、自身も命を奪われかけた青年・レッド(*15)。しかし謎のヒーローに救われ、自身もヒーロー「アルカイザー」の力を手にすることによって一命を取りとめ、今度はその力を使って復讐と正義のためにブラッククロス打倒を目指す。 70~80年代の変身ヒーローものを思わせるテイストで、要所要所の熱い展開、「正体を隠し通す」などヒーローもののツボを押さえた演出が好評。 好敵手とも呼べる敵幹部との終盤の決戦では、敵がこちらのコピー技を繰り出してきたあとにオリジナル技を使うことで、それを上回るヒーロー技を閃く。ここの展開は技の豪快さも相まって、レッド編屈指の名シーンに数えられる。 全身ラバースーツの敵戦闘員がバック転をしながら襲ってくるなど、コミカルなお約束も散りばめられている。 前半はリージョンシップ「キグナス」の乗員として働きつつブラッククロスを追う一本道シナリオ。中盤からは本格的にブラッククロス打倒に乗り出し、一気に自由度が増す。 NPCを除くIRPOのメンバー全てが仲間にできるのはこのシナリオのみ。さすが巨大犯罪組織と戦うだけのことはある。 またヒューマン、妖魔、モンスター、メカを万遍なく仲間にできる。特にメカは、レッド編でしか仲間にできない機体が2体もいる。 シナリオ中に麻薬関連の描写(薬物中毒者の存在、麻薬精製工場への潜入)があり、本作がCERO Cである一因となっている。 変身前のレッドは標準的だが、ヒーロー変身後のアルカイザーが強いので戦闘難易度自体はそれほど高くなく、メインシナリオの進行手順も分かりやすいため、初心者にオススメのシナリオである。 ただし「変身中は成長しない」という大きな欠点も抱えているため、準備不足のまま強制変身状態になるイベントに挑むと育成できず詰む可能性もある。生身での育成も忘れずに。 強制戦闘やイベントが多く、回避しづらいところに敵が配置されている場所や、移動を失敗すると問答無用で強制ゲームオーバーになる箇所等もあるので、シナリオの進めやすさとは裏腹にタイムアタックの難易度は最高クラス。 他にも行動を間違えると印術のイベントが完遂できない(+最悪の場合は以後の時術・空術イベントも進行不可になる)、その時点で仲間にしていたキャラが全員永久離脱するなどシナリオ展開の関係でいくつか罠がある。とはいえ、どちらも条件を満たさない限り発生せず、前者はともかく後者はよほど捻くれたプレイをしない限り回避は容易。 物語の熱い展開とは打って変わってEDは(これもヒーローものの最終回のような)ハッピーエンドながらもどこか切なさの漂う結末となっている。最後に鳴り響くセミの鳴き声が哀愁を誘う。 一方、その後にはヒーローものならではの実にユニークな演出で幕切れとなる。 なお他のシナリオではレッドは一切登場せず、仲間に加える事が出来ない(*16)。ヒーローを使えるのはこのシナリオのみ。 T260G編 古代文明期の大戦の遺物が眠るリージョン「ボロ」で、少年タイムによりクズ鉄の中から掘り出されたAIコア。そのコアはガラクタを寄せ集めて作られたボディを与えられ、判明した型番から「T260G(*17)」と名付けられる。過去の記録を喪失したT260Gは、最初の指令「タイム探検隊のメンバーとしてタイムを守る」に従うが、やがて本来の確認・遂行するべく、酒飲みの剣豪・ゲンと共に旅に出る。 メカがメインになるSFチックなシナリオ。このシナリオのみ戦闘メンバー5人を全てメカで揃えられる。その反面、メカが主人公である影響で完了できないイベントがあったり、妖魔が一切仲間にならないという制約もある。 メカは戦闘だけでは成長しないため、GBシリーズ未経験のプレイヤーは「装備が重要」というメカの特性を把握しないと苦戦しやすい。このため初心者向きとは言い難いシナリオであるが、逆に言えばメカ種族の使い方を把握するにはうってつけだとも言えよう。メカは装備さえあれば簡単に強化できるため、慣れると意外と攻略しやすいシナリオであり、縛りやタイムアタックがアツい(*18)。シナリオ中に登場する敵も、雑魚・ボス共にメカが多く、プログラムを効率よく収集できる他、WPの現地補給もしやすい。メカの性能を向上させる装備も多数入手できる等、メカオンリーでやってみろと言わんばかりの構成となっている。 シナリオは、様々な人々の協力を得て本来の任務情報を復元し、リージョン世界の脅威たる古代の超兵器に挑む展開となる。強力なボスと戦う機会が多い他、パズル・イベント戦・マップ内に施された仕掛けといった特殊な要素も多く、難易度はかなり高め。その反面ストーリー構成が非常に練られており、他主人公と比較して専用BGMも多い。先述の通り強力な装備も多数入手できる。特に、全てを終えて迎えるエンディングは、温かみのある穏やかで感動的なものであり、本作でも飛び抜けて高い人気を誇る。また、最序盤から仲間に加わるゲンは、T260Gに次ぐもう一人の主人公と言っても良いほど出ずっぱりで存在感が強い。ストーリーの随所で男気を見せ、戦闘力の高さも相まってファンから「ゲンさん」の愛称で慕われるほど人気も高い。 エミリア編 恋人を殺した濡れ衣を着せられた元トップモデルのエミリア。刑務所から獄中仲間と共に脱出するが、それは秘密組織「グラディウス」による手引であった。エミリアは真犯人・ジョーカーを追うため組織のメンバーに加わり、組織からの指令を受けつつ事件の真相を探っていく。サスペンスやスパイもの風のシナリオ。 メインシナリオは「本部で任務を受ける⇒自由行動で1回以上戦闘⇒本部で任務⇒…」という流れである。他シナリオと違って育成次第では大苦戦するような強敵が殆ど出現せず、また自分で次の任務を受けない限り好きなタイミングで自由行動が行えるため、全体的に難易度が低く初心者や初見プレイヤーに向いている。 ただし主人公時のエミリアは、他シナリオで仲間にできるエミリアと比較して、筋力も運動性も知力もかなり低く設定されている(*19)。優秀な装備を優先的に与え、ある程度は鍛えておかないと終盤の単独任務イベントで苦戦する。 また、進めやすい分ストーリーは短めで、かつ細かい描写を端折っている部分・説明不足な箇所・未回収の伏線等が多く見受けられる。特にクライマックスは超展開気味で、最終ボスに至っては「誰だよ!」というツッコミが多い(*20)。 分岐によってジョーカーの正体・真相とエンディングが2種類に分かれるが、大抵の人は罠にはまって悲劇的な展開の方に行くだろう(*21)。 エミリア本人が「機械が苦手」という設定から、アセルス編と同じくメカとは相性が悪く、一機も仲間にできない。反面メインシナリオに関係ないが妖魔を大勢仲間にでき、アセルスを正式に仲間にできる唯一の主人公でもある(他はレッド編で一時的に仲間になるのみ)。 主人公時のエミリアは様々な衣装にコスプレ可能で、シナリオを進める毎に衣装が増えていく。特定の任務中は衣装が固定になるが、自由行動中はそれまで着た好きな衣装に着替えられる。 コスプレは見た目の変化だけでなく、衣装に応じて閃き適性が変わるという効果・特典がある。…と思いきや、設定ミスにより複数のコスプレの内、実際に閃き適性が変わるものは「ピンクタイガー」と「ソードダンサー」の2種類のみ。一応、前者はかなり有用に使えるものの、後者に至ってはノーマルコスチュームよりも閃き適性が悪い(*22)という、あまり意味のないシステムになっている(*23)。 次にやらなければいけない事が分かりやすく、詰まりにくいのでレッド編と並び進めやすいシナリオ。特に、上述の妖魔達を含めて強力な仲間が多く、強力な敵は少ない。特にラスボスは他のラスボスに比べてかなり弱い部類(*24)なので、戦闘の難易度は全シナリオで最も低いだろう。 ただし、メインシナリオであるグラディウスの任務遂行中は基本的にエミリア一人での単独行動か、任務中に加勢するグラディウスメンバーしか使えないことが多いため、自由行動中のサブシナリオで加えた仲間が活躍できる機会は少なくなる。このため、出来れば自由行動中もグラディウスメンバーを連れ回して鍛える方が良いだろう。一応、最終任務だけはこれまで仲間にしたフルメンバーで挑むことが出来る。 また、ブルーの資質、アセルスの半妖、T260Gのボディ変更、クーンの指輪といった、「主人公独自の要素・強み」に乏しく、主人公に選ぶ旨味が少ない。アセルス編の金獅子の剣/月下美人やT260G編のハイペリオン等、強力な武具が容易に入手できるといった事も殆どない。一応、精神耐性付与のアクセサリが手に入るが、ヒューマンやモンスター以外には旨味がない。本来は上記のコスプレシステムがエミリアの強みとなるはずだったと思われるのだが、設定ミスによりほとんど機能していないのが残念な点である。 クーン編 滅びかけた故郷「マーグメル」を救うため、各地に眠る魔法の指輪を集める旅に出たモンスターの子供・クーン。旅先の酒場で出会った指輪に詳しい女性・メイレンを始めとする仲間達と共に、指輪を順調に集めていくが…。 「故郷を救うために指輪を集める」というストーリーは童話的で温かみがある。 イベントや指輪の試練のギミックの凝りようなどは力が入っていて面白い。反面、戦闘もテクニックも難所が多く難易度が高い(*25)。 主人公がモンスターという癖の強い種族の為、思った通りに育成出来ないのはむず痒い反面、モンスターの育成に触れる機会でもあろう。モンスターパーティーという偏った編成が出来るシナリオでもある。 シナリオに必須な仲間はゲーム序盤から強制加入するため初期から簡単に5人パーティーを組める。また、仲間が複数人居ないと攻略不可な場面もいくつかあり、パーティープレイを前提としたバランスになっている。 しかし、パーティメンバーを上限まで目一杯集めること自体は難しく、その意味でも上級者向け。種族はまんべんなく加入するが、発生イベントや加入方法が他の主人公と違う上に条件が厳しいケースがやたら多い。そのため、主力メンバーがシナリオ上の強制加入キャラで固定になりがちである。 ディスペアやタンザー、ムスペルニブルなど、他の主人公がサブイベントにて汎用的な目的で行く場所を別角度から探索する展開も多い。 それに伴い、印術の資質獲得が完遂できない、ファシナトゥールに行けないなど、シナリオの関係上から生じる制約も比較的多い。 クーン自身には主人公補正は特に無いものの、このシナリオ限定で登場する「指輪」シリーズはアクセサリ扱いで、それぞれ強力な特殊効果を持つ。 当然モンスターも装備可能で、一度の戦闘につき各一回きりとは言え効果も強力なため、主人公の育成難易度が高いこのシナリオにおいては何かと役に立つだろう。 温かみのある明るめのストーリーだが、「おとぎ話とは本来残酷なもの」とはよく言ったもので、終盤にはどんでん返しが待っている。EDのほのぼのしたBGMとコミカルな演出とは裏腹に結末は辛く、最後のクーンのメッセージが悲しい。 パートナーのメイレンはT260G編のゲンと同様、クーンに次ぐもう一人の主人公的存在であり、世間知らずなクーンに代わってストーリーを牽引する事も多いが、ある理由により未だファンに恨まれる事も…。 リュート編 平和な田舎町「ヨークランド」に暮らす若者・リュートが、一人立ちを目指して田舎を飛び出しあてどない旅に出るお話。 クリアまでの必須イベントが非常に少なく、7人の中でも特に自由度が高い。なんとプレイから開始数分でラスボス戦にたどり着くことができる。 専用イベントは3つだけだが、汎用イベントはほぼ全て実行可能という拘りっぷり(*26)。まさに『ロマンシング サ・ガ』時代並の自由度である。 各主人公にはそれぞれ特徴があるのだが、前述の通りリュートは主人公なのに第1パーティー(1軍)から外すことが可能というもの。ある意味これも自由度の高さか。 リュートの初期能力もごく平凡。ヒューマンなので一応きちんと育てれば強くなるのだが、初期状態では他のキャラに比べるとやや見劣りする。また、リュート自身は気さくな性格で、全ての主人公のシナリオで容易に仲間にすることができる。 しかし自由度が高すぎて初見ではまず何をすればいいのか全くわからず、しかもラスボスに行くための固有イベントの起こし方についてのヒントがほとんどないので、人によってはサガフロの中で最も評価の低いシナリオ、または手抜きシナリオ扱いされている(*27)。 ただし、そのラスボス絡みのイベント自体は手順さえ分かっていれば序盤から行えてしまう。戦力が整っていない状態で下手に始めてしまうと取り返しのつかない事になるため、他の汎用イベントを一通りこなして味方を強化してからの突入が推奨されている。 雑誌の攻略記事や攻略本等では、他のシナリオをいくつかクリアしてからリュート編をプレイするように勧めて上級者向けに強調している所もある。 またシナリオのスタート地点の近くに強敵が潜む「ヨークランドの沼地」があり、何も知らないプレイヤーがそこへ迷い込んで開始1分ほどでタイトル画面に戻されてしまうのは最早お約束。 この沼地は別のイベントに絡む場所なのだが、リュート編開始直後ではその条件を満たしていないため事実上単なるトラップである。 しかしラスボスは他の6人を凌駕する強さであり、どれだけ戦闘回数を少なくしてエンディングまでこぎつけるか、どれだけ素早くエンディングにたどり着けるかのタイムアタック等のやり込みも盛んである。極端な話、準備さえ万全であれば戦闘回数1回(ラスボスのみ)でのクリアも実現可能(*28)。 シナリオの簡素さに伴い、エンディングも実に簡素。らしいと言えばらしいが。 本作ではメモリーカードに「誰々のシナリオをクリアした」と保存できるシステムデータを作ることが出来る。それを利用して全てのシナリオをクリアすると隠し要素が出てくる。 各シナリオごとのセーブデータが2ブロック×7個で14ブロック、システムデータが1ブロックで合計15ブロック。純正のメモリーカードでも1枚で収まるように設計されている。 ただし、出現する隠し要素はゲームの開発スタッフ達が集ったいわゆる「開発室」であり、『LAL』のような最終シナリオやゲーム本編のシナリオを補完するものではない。 システムデータは作成時に名前、星座、血液型を入力し、「誰のシステムデータか?」を判別する。 各シナリオ開始時には、どのシステムデータに対応させるか選択し、エンディング後に対応したシステムデータにクリア情報を保存する。対応していない(最初に選択したデータ以外の)システムデータには保存できない。 また、開始時にシステムデータを選択しなかった場合はクリア情報の保存が出来ない。クリア時に新規でシステムデータを作成することは可能だが、その際の名前は「サガフロンティアさん」で固定となる。 一応、名前と質問の答えを合わせてあれば別のシステムデータを利用する事も出来なくもない。 別シナリオで育てたキャラやアイテムそのものは引き継げないが、保存したそれまでのクリア情報に応じて、次に開始するシナリオのキャラステータス等に若干の補正が掛かる。 前回クリアしたシナリオでの強さ(戦闘回数による敵ランク)に応じて、次に始めるシナリオの初期ステータスが4段階に強化されるという仕組み。キャラクターによっては初期修得の技術や装備品なども増加するため、素の状態で始めるより少しお得になる。 ただし味方が強化された分、出現する敵もそれに連動して最初からランクが高くなり、ボス敵のHPにも倍加補正が掛かってしまうため、一概にランクが高いほうが良いとは言い切れない(特に、主人公が弱い状態でスタートするエミリア編・アセルス編などではデメリットの方が大きい)。 低めのステータスでクリアすることで再度初期ステータスのランクを下げることもできる。 このように王道ファンタジーから、ヒーローもの、スパイもの、耽美もの、果ては始めと終わり以外投げっぱなしのシナリオまで幅広い内容を取り扱っている。 しかし、幅広いゆえに途中からプレイを再開すると、シナリオのどの時点まで進めたのか分からず苦労することがある。 裏解体真書によると、魔法系の超古代文明と科学系の超古代文明があったとされており、一応全てのシナリオの根っこにはどちらかの超古代文明時代の話が絡んでいるらしい(*29)。 連携システム この作品からサガシリーズに導入され、そして作品の人気の一翼を担っているものとして 連携システム が挙げられる。 キャラクターが選択した技同士が、行動時に一定の確率で繋がり、大ダメージを与えるというシステムである。 最大5連携まで繋がり、気に入った連携は履歴の「お気に入り」に登録することで発生する確率を上げられる。 2~3連携を組み合わせて5連携を作り出すという楽しみ方もできる。あらかじめ5連携を登録しておくことで、強敵も驚くほど簡単に倒せたりする。 後述のバグを利用する事で最大9連携(*30)する事が可能。難易度はとてつもなく高くなるが。 複数の技を繋げる、という単純なつくりながらも、そこから得られる爽快感と威力は大きく、種族ごとに異なる技の数々もあいまって組み合わせは多彩で非常に奥深い。 正統派の剣技からプロレス技、びっくりどっきりメカに時間魔法と技の数は種類、傾向ともに多種多様。ほとんどが連携に組み込める。 5連携なのに3人で次々に攻撃し終えたあとに残り2人で攻撃したりなど、連携演出が途中で分断されてしまうこともある。ハードスペック上、全部同時に表示できないのは仕方ない面もある。 さらに、このシステムの登場によって弱いパーティーでも連携次第で強敵を倒すことが可能になり、これまで難易度が高かったサガシリーズの戦闘のハードルが大幅に下がった。 無論、難易度が下がって残念がる者もいた。プレイヤーだけでなくバトルプログラマーも嘆いた(*31)。 実際、続編では連携を前提とした難易度に調整されている。 連携が強力な仕様は敵側にも言えること。弱い敵キャラの攻撃でも簡単に連携がつながり、こちらの防具をガン無視した大ダメージを与えてくるため、敵に対して人数差をつけられると一気に劣勢となる。弱い敵でも油断せず、頭数を減らすこと自体が重要な戦術になる。 連携自体の補正があるため、単発では使えない技も、連携の骨組みの一部として活用できるようになり、選択の幅が広がった。 繋がり方にも、連携の最初のみ可など、技によって条件が様々ある。同じ技同士で連携出来る技であればそれが利点の1つになる。 凝られた戦闘演出や派手なエフェクトも連携の爽快感の一助となり好評。 また、技名を途中で切って繋げていくため「だまししっぽぶちふみまわす」「月影の幻夢の逆風の炎の草薙の剣(*32)」などという笑える名前の連携も可能。この特徴も後のシリーズに受け継がれた。 以上の点からサガの戦闘に革命を起こし、以降のシリーズには必ず連携システムが搭載され、新作が出るたびにマイナーチェンジが繰り返されている。 術の「資質」と「学習」 術の「資質」はそれを得ることにより、戦闘時に資質を持った系統の術を使用することで戦闘終了後に一定確率でその系統の術を新たに「学習」することが出来るようになるというもの。ショップでは購入できないような上位術も学習できる。資質は用意されたイベントをこなす事で習得可能。 RSシリーズでは購入かイベントで入手しか習得方法が無かったが、このシステムにより術法使いの戦闘をする楽しみが増えたといえる。 また術系統自体も「陽術⇔陰術」「秘術⇔印術」「魔術⇔妖術」「心術⇔邪術」「時術⇔空術」「幻術」「命術」と非常に多いのが特徴。 一部を除いて上記のように相反する2系統(反術)が存在し、会得できる資質は一部キャラを除き、2系統の片方ずつのみとなる(陽術と陰術の片方、印術と秘術の片方など)。 特定のキャラのみしか資質を得られない貴重な系統や、資質自体を得る手段が存在しない系統も存在する。 資質は一度得ると捨てることができず、相反する系統の術を同時に持つことも基本的にできない。資質を持たない術も使うことは可能だが、この場合は新たに覚えることはない。 例えば陽術の資質を持っている場合に相反する陰術を買うこと自体はできるものの、代わりに陽術を全て失い、さらに陰術の資質が無いため新たな陰術を覚えることもない。この場合も陽術の資質そのものは失わないため、改めて陰術を捨てて店売りの陽術を買い直せば新たな陽術を覚え直すことができる。 メカとモンスターは基本的に資質を得ることが出来ない。例外的に最初から特定術の資質を持つモンスターも居るが、ヒューマンや妖魔と違い新たな術を覚えることができない。 属性システムのマイナーチェンジ 本作の属性防御は「斬・打・突・熱・冷・雷・気・状」の8種類。射属性は突属性に1本化され、新たに気属性(*33)が追加された。気属性とは、従来は状属性に含まれていた「熱冷雷のいずれでもない術法属性」が、状態異常に対する抵抗力と分化されたもの。従って状属性はダメージ軽減ではなく「状態異常に掛かりにくくなるのみ」の効果になり、この変更は次回作以降にも引き継がれた。 評価点 7人の主人公のそれぞれ異なった多様なシナリオ 7本のシナリオはどれも方向性が違うので、別の主人公でプレイしても飽きずに楽しめる。 また、ブルー編、エミリア編、T260G編には、それぞれ事実上の主人公強化イベントが存在する。レッドはほかの主人公では仲間にならない代わりに、ヒーローになることで(ブルー以外の)他の主人公を超える力を獲得可能で、アセルスも、エミリア以外で仲間にできない代わりに、前述した半妖のアドバンテージを享受できる。クーンも、指輪と呼ばれるアクセサリを入手でき、結果的にモンスターのさらなる強化を図れる。ただしリュートは…(後述) サガらしく、自由度も高い 選択した主人公によっては強制的な展開が多い場合もあるが、全ての主人公に必ず自由行動が出来るタイミングが存在しておりサブイベントの類も豊富に存在する。序盤から強力な装備を集めたり、鍛え上げたパーティで突き進むパワープレイなども可能。 工夫されたバトルシステム 戦闘のテンポは(一部の術、技のエフェクトが長いのを除けば)おおむね良く、スピーディー。 技を閃いた時、連携が次々に繋がった時の快感は本作ならではの物。 前述の通り連携は本作から実装されたシステムだが、本作の連携はマイナーチェンジによって複雑化している後作品のものよりもシンプルに攻撃が繋がり、元々のバトルテンポの良さも相まって非常に爽快感がある。「連携システムはサガフロ1が最高」とするプレイヤーは少なくない。 シンプルである分、敵側の連携もシリーズ屈指の脅威になるため、いかに敵の連携を受けないよう立ち回るかという新しい緊張感も生まれた。 戦闘によるキャラの成長要素も多く、キャラ育成も醍醐味のひとつ。 特にヒューマンは一回の戦闘で能力値がガンガン成長する。他の種族でも、メカは新しいプログラムの開発、モンスターは強モンスターへの変身や特技の吸収などが戦闘の見返りとなっている。 GBシリーズではほとんどカスタマイズ不可能だったモンスター種族も、同じ個体でいる限りボディの特徴こそ変更できないが、使用できる技はある程度自由が利くため、能力に合致した技を持ち込める。明らかに個体の身体的特徴に合わない技を持ち込めるモンスター種族は本作ぐらい(*34)。 ヒューマンが技を閃くのはRSシリーズと同様だが、術に関しても「買う」だけでなく「覚える」という要素が登場。資質を持っている系統の術を使うと戦闘後に覚えることがあり、店で購入できない強力な術を覚えられることもある。術をバトルで覚えるという概念は、後の作品にも大きな影響を与えた。 一方で、装備品の固有技については閃く必要が無い。ヒューマン以外の種族では閃きではないシステムで技を覚えることへの配慮ができている。 ただし、最初から全て使用できるかというとそうではなく、特定の技と装備品を同時にセットすることで出現する技が本作では多数存在しており、固有技については新しい方向の奥行きが生まれている。 システム面 能力値上下の効果を持つ技or術を使用した際、RS2・RS3ではそれの成否を視覚的に確認するすべがなく、敵の行動の早さやダメージで判断するしかなかった(*35)。 しかし本作では、例えば腕力が上がった場合だと「STR UP」、知力が下がった場合だと「INT DOWN」と、画面に表示されるようになったため効果を判別しやすくなった。効果が強いと文字が多重に表示され、効果の強弱も感覚的にわかりやすい。 技と術の使い勝手に関するバランスの是正。 RS3では、技の封印は自由に出来るが、術の封印は施設でなければ不可能だった。また、RS1・RS3においては封印した術を再び使うには再購入が必要だった。本作ではどちらも自由に封印でき、封印を解除して技欄へとセットするのも自由になった。 RS1・RS3においては、原則的に技は通常攻撃だとノーコストだが、術はノーコストで使用する手段がほとんど存在しなかった(*36)。しかし、本作ではRS3から存在した「達人」システムを改良したことで、術でもノーコストで使用することが容易になった。 術系統の大幅増加。 RS1では10系統(実質闇と邪を除く8系統。うち5種類習得可)、RS2では6系統(うち3種類習得可)、RS3では7系統(実質特殊術を除く6系統。うち2種類習得可)。しかし本作では術が12系統あり、シリーズ作品過去最高の数。 ただし特定キャラ1名しか持ってない系統やブルールージュを除けば、基本的には実質7系統から4種類習得可。 本作ではブルー編において主人公が1人で最大10系統という途方もない数の術を覚えることが可能。さまざまな術を使用したいプレイヤーにとっては嬉しい仕様と言える。 音楽はシリーズおなじみの伊藤賢治氏によるもので、世界観の性質上様々なジャンルの曲が作られており、飽きが来ない。 そしてイトケンといえば戦闘曲。RS3の戦闘曲の評価も際立って高かったが、それと比べても遜色ない血潮を震わせる熱い曲は健在。通常戦闘曲である「Battle#1」や、特定ボス戦に流れる「Battle#4」「Battle#5」といった曲が人気(*37)。ラスボスも主人公ごとに個別であるため、それぞれに専用戦闘曲があり、これも軒並み高評価。 グラフィックの美しさは1997年当時の『ファイナルファンタジーVII』に負けず劣らずの高品質。特に背景や技エフェクトの美しさと派手さは必見。 モンスターのデザインもそこそこ好評で、ネット上でも特定のモンスターを見るだけの動画や、イラストを見かけることができる。 メモリーカードへのアクセスの遅さを考慮した「クイックセーブ」の存在。 移動中であればR2+△でどこでも利用可能、本体メモリに書き込むだけなので、リセットや電源断で消失してしまうが、ほぼノータイムでセーブ出来るのはリセット率の高いこのゲームにおいて非常に有用。 賛否両論点 武器系統の大幅な減少 RS2・RS3では、武器の系統は特殊なものを除くと8系統存在したが、本作では「体術・剣・銃・重火器」の4系統しか存在しない。そのため武器の使い分けを好むプレイヤーにとっては物足りないと感じるプレイヤーも存在する。術系統の大幅増加とは対照的。 尤も、この指摘はあくまでRSシリーズとほぼ同感覚で使えるヒューマンに限定すればの話である。本作にはヒューマン以外にも複数の種族がおり、それぞれ技系統やその使用感が異なるため、総合的に見れば選択肢は大幅に増加している。 金策とアイテム売買について 店売りのアイテムはそこそこ充実しており有用なものも多いが、本作では敵を倒して得られるクレジットが全体に少なく、宝箱などからの入手額も限られている。そのため、装備をクレジットで揃えられるのは、高額クレジットを持つ敵が出現するゲーム後半になる。 序盤の敵の落とすクレジットの少なさは、殆どの店が序盤から利用できる本作においての一種の調整と見ることもできる。 店でのアイテム買い取りが一部の品に限られるというのも不満の多い仕様。本作にはアイテムを捨てるコマンドもないため、ゲームを進めるほど低品質の装備や効果の低いアイテムが溜まっていく。 ただし所持数制限もないため、新たなアイテムを持ちきれなくなるような事態はおきない。 金策に関しては、後述の金相場のバグを悪用することで常に4万クレジット前後を補充できるという抜け道があったりする。あくまでバグ利用ではあるが。 サブシナリオがほぼ術の資質絡みのイベントのみ 各主人公のメインシナリオから外れた共通サブシナリオは、そのほとんどが術の資質絡みのイベント、もしくは単発の仲間加入イベントとなっている。 資質イベント以外に誰でも入れるダンジョンはあるにはあるが、特に目的を持って突入するものでもないため、単にアイテム回収や修行目的のみで終わってしまうケースが多い。ボスがいたとしてもちょっとした会話があればいい方で、下手すれば無言で問答無用で襲ってきて倒すだけで、その後のイベントも特にないなんてこともザラ。 それもそのはず、これらは実は特定主人公のメインシナリオに関わるダンジョンなのだが、他の主人公の場合も一応ダンジョンの探索だけは可能(本当に探索するだけ)というパターンが殆どなのである。その中には、本来ならある主人公のシナリオに関わるはずだったのに丸ごと没になったせいでダンジョンとボスだけ残っており、深いイベントもなく単にキャラを鍛えるだけのスポットになっている場所もある。 このため、「術の資質を集める」という目的のブルー編は事実上他主人公でのサブイベントをほぼそのまま網羅する形になっている。ただし、ブルー編の術の資質イベント自体はしっかりと作り込まれており、ほかのキャラクターでのイベントより大幅に作り込まれている。また、終盤でのイベントで大幅なパワーアップを果たし、その能力は全主人公の中でも最強とされる。ただし、資質イベントの進め方によっては後述の問題点もある。 基本的にどこでもセーブできる事自体は好評ではあるが、その弊害で後戻りできないダンジョン(主人公固有のイベントは大抵中断できない)やラスボス直前でセーブしてしまうと詰む場合がある。もっとも詰みポイントでもセーブが出来てしまうのは 初代からの伝統 ではある。幸いにも本作にはクイックセーブがあるので、「イベント突入中はメモリーカードセーブを行わない」ことを徹底すべき。 アセルス編やレッド編は自由行動できるようになった時点で戦力が整っておらず、仲間も集めずにイベントに突入してしまう危険性がある。 アセルス編以外は、ラストダンジョンに突入すると出る事が出来なくなってしまう。またアセルス編も、ラスボスと会話後にセーブをすると、ラスボスとのバトルしか出来なくなる。 エミリア編やリュート編はダンジョン自体が短い事もあってか、ダンジョン内に回復所がない。全回復できるアイテムとして「結界石」もあるにはあるが、シナリオ全体を通して少量しか拾えない貴重品である。 ラスボスに勝てなかった場合に育成しようと思っても、回復所がないため満足な育成は行えない。 一応、第2・第3パーティーに適宜切り替えて戦えば、戦闘に参加しなかったキャラクターのLP/WP/JPが少量回復するため、WP節約で素振りを中心に戦うことで地道に回復できなくもないのだが、それでもがっつりと育成するにはやや厳しい。 クーン編はラストダンジョンこそ無い(事実上のラストダンジョンは最後のイベントボス戦前であれば脱出可能)が、ラスボス手前でセーブするとアイテムの補充も育成もできなくなる。 + クーン編の重大なネタバレ 序盤からメインキャラクターの1人として登場している仲間がよりにもよって最後の最後で強制的に外れるため、そのキャラを主力にしていた場合は大幅な戦力ダウンとなる。 クーン編は強制的に仲間に加わるキャラクターが多いため、特に寄り道していなくても一応は上記の状況でも5人フルメンバーは組めるのだが、大抵のプレイヤーは序盤で揃うキャラクターをメインパーティに組み込んだままでいる可能性が高いため、控えのキャラクターもまともに育てていなかった場合は弱い補欠を充分な準備もなく加えることになるので大きな罠となっている。 サブメンバーを全く育てていなかった場合も、初期状態である程度の強さを持った「済王」等がピンチヒッターとして適任ではあるものの、それでも前準備無しで突然ラスボスと渡り合うにはかなり辛い状況である。 一応、とある場所で指輪を持っていたキャラが上記の伏線となる台詞を言うのだが、あまりにさりげないためヒントとしては心許ない。 アセルス編でも序盤からのメインキャラが強制的に永久離脱するイベントが存在するが、ラストダンジョン突入前という余裕のある段階なのでこちらほどは取沙汰されない。 エンディングが全般的に簡素、各シナリオの繋がりが明確には描かれない等、多くの謎がプレイヤーの解釈に委ねられることになっている。特にブルー編の終わり方には賛否両論が激しい。 全員クリアで出現するのも「開発2部」(=スタッフルーム)だけであり、全てのシナリオを総合した真のエンディングなどは無い。後述するように実際のゲームでは見られない没要素も多いため、不完全燃焼感があるとの声もある。 ディレクターの河津氏は「全部のシナリオをクリアすると次のが出てくる、ていうのは一般的すぎるんで、やりたくなかった」と裏解体真書で語っている。『ライブ・ア・ライブ』のようなシナリオ構成を期待した人はがっかりするかもしれない。 リュート編の構成 前述した通り、主人公の1人であるリュートは「自由度が高い」という売り文句があり、実際に始めて数分、かつ無戦闘でラストダンジョンに突入できる。 ただし、ラストダンジョンへの突入イベント以外に、リュート特有のシナリオは一切存在しない。ダンジョン巡りや、術の資質集めなどのサブシナリオは可能だが、上記のようにサブシナリオ自体のバリエーションが少ない上、それらは他のほとんどの主人公も実行可能となっている。一応は「メインシナリオにほぼ縛られない」「サブシナリオ実行の際の制約が一切ない」というメリットはあるのだが、それを有効に活かせるとは言い難く、逆に「メインシナリオが少ない(*38)」点がデメリットとして目立ってしまう。 一応ラストダンジョンはリュート専用なのだが、アイテムは一切拾えず限定敵もほとんどいないなど、リュートならではの旨味はほぼない。 リュート編専用の仲間は一人だけいるのだが、リュート自身はほかの主人公でも簡単に仲間にできるため、これ以外のメリットはほぼ存在しない。要するにフリーシナリオを謳ってはいるが、「自由に冒険できる」というよりは、結果的に「他主人公に比べて出来ることが少ない」と言った方が適切になってしまっている。 他のルートや主人公特有のプラス要素もなく、できることといえば主人公をメインメンバーから外せることのみ。 しかし地味だが意外とこれによる恩恵は大きく、好きなパーティを組めたり、強いキャラのみで固めるということが可能。「主人公のLP消失による全滅」の危機の可能性が一切なくなるというメリットもある。また、ある場所の「主人公の最大LPを消費して購入するアイテム」を(一軍から外すなら)心置きなく買える。しかしそれ、主人公としてどうなんだろうか。 また、リュート編は「最終ボスの最大HPが現在の敵ランクに影響せず固定」という特徴があるため、気にせずに思う存分キャラクターを鍛えることができる強みもある。逆に言えば、戦闘を重ねていなくても最初から最終ボスが強い状態であるとも言えるため、序盤からラストダンジョンに行ける仕様と合わさると初心者殺しな構成でもある。 問題点 ダンジョン・エンカウント ダンジョンのグラフィックが暗め。足場と障害物の境界線や、マップ同士を行き来する入口等が視覚的に見辛い事が多い。オブジェクトが多い事もこの問題を増長しており、このマップの見辛さはスタッフも認めていたほど。 敵シンボルは行動パターンこそ単純だが、避けにくい狭い一本道にいたり、マップに入ったらいきなり突っ込んで来たりと、避け辛い事が多い。 画面の広いマップだと敵シンボルの移動スピードがものすごく速くなる。ただし主人公の移動スピードは狭いマップでも広いマップでも同じ。 加えて旧作とは違い、本作には逃走というシステムがない(*39)。戦っているうちに出現モンスターが強くなるシステムなのでドロップアイテム狙いの時や特定モンスターへの変身の際にネックになりやすい。 幸いにも一瞬で行えるクイックセーブ機能があるため、ゲームオーバー的な意味ではネックにはならない。ただ敵を回避できない状況でセーブしてしまう恐れはある。 ランクが固定される敵系統 通常は敵シンボルと接触すると現在の敵ランク~2ランク下の範囲で出現する敵が変動するので、モンスターの能力吸収やメカのプログラム収集などの兼ね合いで、目当ての敵が出るまで・能力が吸収できるまでリセットマラソンを行うことがある。ランクは下にもぶれるので、敵ランクが上がってもしばらくは目当てのモンスターにエンカウントするチャンスはある。 しかし敵のランクが下位に変動せず、常に現在のランクで固定される敵系統が各主人公ごとに存在する。このことは公式等で特に説明はなく不自然である。 固定される系統の数や種類は主人公ごとにまちまちで、なんらかの規則性があるわけではない。たとえばルージュ操作時は獣系だけがランク固定だが、クーン操作時はほぼ全系統がランク固定になる。 たいていはロード直後の1回目だけは変動するので、やり込みプレイでもなければあまり気にならないが、ランクアップで目当てのモンスターに会う機会を失うのは不便。また獣系だけはロード直後でも変動せず固定される。 特にクーン編は敵から能力を吸収するモンスターが主人公な関係上なるべく多くの敵と戦いたいところだが、全ての敵系統がランク固定なので不便。 銃と重火器はシステム的に全然別物の武器なのに、アイコンが同じなため見分けがつきにくい。 銃は銃技を習得できるヒューマン向きの武器。残弾が無くなってもリロードを挟むためずっと使えるという利点がある(リロード時は強制的に行動順が最後のディレイアクションになる)。 ただし素の威力がやや低めであるため、ヒューマン以外にはさほど向いていない。 一方で重火器は高威力で、能力値上昇的にもメカに有用なものが多い。また、強い技が少なめな妖魔にとってもメイン武器の選択肢に入るだろう。 しかしヒューマンにとっては重火器では銃技を使えず、能力成長率も悪いため、メインにするには厳しい。また、銃と違い残弾を使い切るとその戦闘中ではもう使えなくなってしまう。 このように相反する性質でありながら、何故か全く一緒のアイコンが流用されてしまっている。 防具の性能について RS3ではRS2の反省点を踏まえ、性能表示が簡略化され、特定属性に対する弱点や防御ボーナスが確認できるようになっていたのが、本作では再び確認できなくなってしまった(*40)。 一応擁護すれば、正確な防御力の確認ができないというだけで概ね数値通りの防御力であるため、RS2ほど数値に振り回される事はない。例えば盾とアクセサリーを除く全68の防具の内、「術法防御が表示数値以下の防具」は半数の34、「特定の属性防御のみ0またはマイナスの防具」は僅か4しかなく、逆に「表示数値以上の防御力を持つ防具」は半数近い27もある。一見すると多く思える「表示数値以下の34+4の防具」も、元々防御力の低い頭・腕・足防具だけで19を占めており、メイン装備である胴防具には7しかない(*41)。全身防具については表示数値の5~7割の術法防御になっているが、必然的に術法防御の高いアクセサリーを装備する事になるので、自然にフォローされて悪影響はほとんどない。要は、基本的に数値の高い防具を優先して装備すれば、ゲームへの影響はほぼないという事である。 とは言え、全体的に高い術法防御を持つアクセサリーは、その利点が完全に確認不能になっている他、盾に関しては本作では回避率すらもマスクデータになっているため、やはり不便と言えば不便である。 モンスターの変身システムへの配慮が足りなかった部分が見られる。 モンスター種族の技は、内部的には頭・体・腕・足・魔法・ブレスの6種類に分類されており、それぞれの種類ごとにどんな技を持っているかで変身が決まる。しかし、その全てが同じアイコンなので、攻略本やインターネット等で情報を集めないと、技の種類に気付くことは難しい。また、技術欄での技の配置順で変身対象の優先度が決まるのだが、これも説明が無いため、気付かないと何度も同じ弱い変身ばかりする事態に陥ることも。 また、例え技の分類が分かった所で変身法則そのものはマスクデータであるため、攻略情報を見ない限り任意のモンスターになるのは難しいだろう。 技自体も特定のモンスターから低確率でしか得られなかったりするものが多々あり、期間限定となるものも多い。一度忘れたら取り返しが付かないケースが多く、加えて技の組み合わせによる変身との兼ね合いもあって異常に敷居が高いものとなってしまっている。 「術」の資質イベントの問題点 「印術」「秘術」の資質イベントはそれぞれ4つずつのイベントで構成されている大掛かりな内容だが、これにより様々な問題が生じている。初見プレイヤーが躓きやすい要素の一つ。 + 詳細(分量が多いため折りたたみ) どちらも基本的な流れは共通で、占いの町ドゥヴァンにて印術は「小石」を、秘術は「カード」を受け取り、各地にあるスポットを巡って「○○のルーン」もしくは「○のカード」を集めていくというもの。 しかし、開始直後に限りどちらも途中までは同時進行させることが可能なのだが、片方の資質イベントを1つでも最後まで進めてしまう(*42)と、以降はそちらの資質イベントを4つ全て完了させるまでは相反する方の資質イベントを一切遂行できなくなる。 それらの資質イベントでしか仲間にならないキャラも多いため、その資質イベントで仲間になるキャラは加入タイミングによってはもう片方の術の資質(キャラによっては進行中の術の資質ですら)を得ることが出来ないという問題が発生する。 これを回避したい場合には事前にイベント内容を把握した上で各箇所のイベントをそれぞれ中途半端に進め、わざと完遂させずに先に仲間にしたいキャラだけ総ざらいしておくという特殊なプレイが必要となる。 また、資質を得るには4つものイベントをこなし、かつ資質を得させたいキャラを4つ全てのイベントに立ち会わせる必要があるにもかかわらず、どのキャラに資質を得られるフラグが立っているのかが分かるようになっていない。なお、例え条件を満たしても4箇所目での入手の時点で相反する術を所持していたキャラは資質獲得から除外される。 クーン編ではとあるイベントの兼ね合いからルーンの石が1つ入手できず、それに関する救済措置も無いため、印術の資質イベントを最後まで完遂することが出来ない(=資質も得られない)という大きな罠がある。 さらにたちの悪いことに、他3つのスポットの印術イベントを1つでも完了させてしまうと、以降は秘術イベントを一切進められなくなる上に印術イベントを終わらせることもできなくなってしまう。こうなるとどちらかが必須である空術のイベントも開始不可能になる(*43)。 それに加え面倒なことに、メインイベントの途中で強制的に立ち寄るとあるダンジョンに行く際に印術の小石を持ったまま行ってしまうと、秘術イベント進行中でない限りは本来のメインイベント完了後にルーンも取らないと脱出できなくなってしまうので、上記の状況が強制発生する。このため、クーン編ではそもそも小石を貰うこと自体を最初から避けるべきという罠アイテムになっている(*44)。 なお、一応クーン編でも印術の資質を最初から習得している「メサルティム」の加入機会があるため上位術を使用できなくはないのだが、彼女を加入させるために必要な人物の条件がやや面倒、かつクーン編では彼女を勧誘できるチャンスも1回きりなので仲間に出来ないこともある。 ブルー編ではとある印術の資質イベント遂行中にリージョン移動でそのイベントのダンジョンを脱出することが可能だが、その後とある手順を踏むと資質イベントが強制終了し、この場合は印術の資質を得ることが出来なくなってしまう。ただしこちらは意図的にやらない限り発生せず、またシナリオ進行に必須である資質イベント完了のフラグだけは立つためタイムアタックなどには利用されている。 エミリア編では最序盤の強制ダンジョンで強制的に印術の資質イベントの1つをクリアさせられるため、印術の資質を得られるのはその時点で仲間になっている「エミリア」「アニー」「ライザ」の3人(+最初から印術の資質を持っている「メサルティム」)のみ。また、この影響で秘術の資質イベントを遂行できない問題との兼ね合いから「ゲン」や「ヒューズ」といった該当イベントで仲間にできる強力なキャラの加入が非常に遅くなってしまう(*45)。さらに、エミリア編のみ例外的にドゥヴァンで小石を貰わなくても途中まで印術イベントを進められるのだが、1箇所のみ小石を貰っていないと絶対に発生しないイベントがあるため、この編が初プレイの場合は見落とす危険性がある。 単発イベントで完結する「陽術」「陰術」「心術」資質イベントは上記2系統ほどではないものの、それでも以下に示すような共通の問題がある。 イベントで資質を得られるキャラはそのイベントをこなした全てのキャラが対象。そのためその資質を習得させたくないキャラは予め相反する系統の術を購入して与えておくなどする必要がある。ただし、心術については相反する邪術は仲間では唯一使える「あるキャラのシナリオにおいて後半に仲間になるキャラ」ですら資質を持っておらず、資質を得るイベントも存在していないため、この条件を気にする必要は無い。 資質イベントを行なえるのはそのシナリオ中で各系統1回限り。このため序盤でイベントをこなしてしまうと、その後に加入したキャラにはその資質を与えることが出来なくなってしまう。 陽術と陰術については、主人公キャラがそれと相反する術か資質を持っていた場合、本人が該当ダンジョンに行けないため条件を満たせる残りの仲間が自動でダンジョンに行き、それを留守番で見守る形になる。この場合、該当ダンジョン内のアイテム等を回収することは不可能(*46)。ただし、こちらもブルー編では留守番でも必須イベントのフラグだけが立つためタイムアタックに利用されている。 心術については1人ずつ個別にモンスターと戦い、勝利した場合のみ資質を得られる修行となるのだが、突然強めのモンスターが現れてあまり育てていないキャラがあっさり倒されてしまうケースもある。一応、戦う直前に方向キー左右で戦うメンバーを3人まで切り替えられるのだが、説明が一切ないため気付きにくく、これを使っても苦手な敵を完全に避けられる訳ではない。 余談ではあるが本作の術系統は「陰術」と「印術」・「陽術」と「妖術」など同じ読みの系統があり会話する際にややこしさを感じてしまう。 世界観についての詳しい解説が無い 本作がどういう世界なのか、どう言った組織が存在するかなどの世界観に関して殆ど説明してくれない(*47)。 この世界の住人である主人公達には常識である為、最初から知っている事を前提に固有名詞がポンポン飛び出すが、プレイヤーに対する説明が無く、攻略本で調べる以外では会話や雰囲気で察するしかない。 この点はサガシリーズでは恒例ではあるが、解り易い中世ファンタジー統一だったRSシリーズや各世界がほぼ独立していたGBシリーズと違って、本作はこのようなごった煮且つリージョン間の結び付きの強い独特の世界観であり、理解は容易ではない。 総評 RSシリーズで培われた高度で奥深いゲームバランスを誇るシステムと、GBシリーズに立ち返った様なちゃんぽんな世界観を合体。 シリーズの魅力をより掘り下げた唯一無二のRPGとして完成された。 先述したように、この作品から取り入れられた連携システムは高い支持を獲得。 これは後継作品にも受け継がれるようになり、シリーズのバトルシステムを一変させた。 ところどころ人を選ぶ展開が入るものの、システムはわかりやすく、難易度もサガにしては低め。 全体的に判断すれば誰にでもお勧めできるゲームである。特にこれからサガシリーズを遊ぶ方には入門編として最適な作りになっている。 余談 本作の発売当時はプレイステーション黄金期であり、同社製作品では『ファイナルファンタジータクティクス』や『ファイナルファンタジーVII インターナショナル』が前後に控えていた。そのためか、本作は一際荒削りな要素が目立つ。 他のサガシリーズと同じく、没イベントの多さが非常に目立つ。没になった主人公も2名。後述する「裏解体真書」に没ネタが多く明かされているので、気になる人は読んでみるといいだろう。 「8つ目のシナリオ」ヒューズ編が、開発当時では実装される予定だったらしく、内部データにもその名残がある(*48)。しかしそのボリューム故に一部要素を削除せざるを得ず、結局はヒューズ編そのものがお蔵入りに。 内容は「IRPOの名物警官・ヒューズが、各シナリオをリージョン警察の視点で追っていく」というもの。リュート編よりもさらに自由度が高く、各編の専用イベント全てに関われたり、各ラスボスとも戦える予定だったようだ。 本作のタイトル画面はどこかの庭園で7人の主人公が過ごしているというものだが、実はレッドが立っている崖は元々はヒューズの立ち位置であった。アセルス左下の突き出した足場(岩?)が当初のレッドの立ち位置であり、ヒューズ編削除に伴って移動した模様。リマスター版ではヒューズ編が追加されたが、登場演出の関係かヒューズの立ち位置は画面右端と、当初とは全く違う場所になっている。 もう1人は霊媒師のイタコ。祖先の霊を呼びだし兄弟と遺産相続の争いをするのだが、あまりにギャグくさいシナリオと化したため企画段階で没になった。こちらは早期に没になったためか内部データでも痕跡が特に無く、主人公の没デザインの名残のみ零姫に見て取れる。 没イベントの名残もかなりあり、ダンジョンの中には異常に広大なものがあったり、大したことがないイベントの割に手の込んだ仕掛けや難易度の増大があるダンジョンがある。 先述のフルドの工房の他にも、ルミナスパレスの小部屋、ブラッククロス本部の開かずの扉、クーロン下水道の開かずのマンホールなど、枚挙に暇がない。 特に生命科学研究所は意図的に強い敵が出る(*49)こともあり、何らイベントがない場所でありながらキャラクター強化のメッカとして有名である。 没仲間キャラクターも存在する。 1体はタイプ7のメカ。名前は「汎用メカ」と仮名らしき状態になっている。タイプ7自体はT260G編のボディタイプ変更で見られるが、独立したキャラクターとしても仲間になる予定だった模様。ゲーム中では一応スクラップの宿屋の主人として登場しているがほとんどモブに近い状態で、ストーリーに関わることはない。このため、ゲーム内ではメカの仲間のみT260を含めて7体しか登場せず、モンスター・妖魔と比べて少なくなっている。 もう1体は明らかに未完成で、ステータスはヒューマンの女性だが名前が「女」となっており、メニューのグラフィックはT260で戦闘グラフィックがラビットというちぐはぐなもの。設定資料ではリュート編の重要人物としてヨークランドでリュートを助けるトリニティ事務所員の女性を登場させる案があったり、それとは別にゲーム内の未使用グラフィックとして女ヒーローのような派手な衣装の女性がいたりといった痕跡があるため、何らかの女性キャラクターを仲間として登場させる予定だったのかもしれない。 そのため、数あるサガシリーズの中でも没要素を加えた「完全版」が待望されている作品の1つであったが、後述のリマスター版にてその一部が実現することになった。 この時期のスクウェアではよくあったこと(*50)だが、説明書の画像に写っている内容の一部が実際の製品版とは異なったものになっている。 本来その主人公では仲間に出来ないキャラがメンバーに加わっていたり、売られているアイテムや術の値段が違っていたりと、非常におかしいものばかりである。おそらく製品版ではなく開発中の画面を使用しているものと思われる。ただし紙の説明書は、印刷~製本~納品という手間がかかるため、ゲーム完成前の時点で発注しておく必要があり、本作に限らず開発中の画面写真を使うのはごく当たり前のことではある。 中には、主人公がクーンで、本来だったら仲間に出来ないキャラが5人もいるというものまで。 ちなみにその内二人は、誰が主人公でも仲間に出来ないはずのブルーとレッド。 バグも多い。ただし、今作のバグには使いようによってはプレイヤーが美味しい思いをする有用な裏技となるものも多い。主なバグについて説明すると…。 換金アイテム「金」は交換所で売買できるが、売買額の数値変動にミスがあり、これを利用するとクレジットを一定額まで何度でも稼げるという相場師めいたマネが可能になる。 一定額を支払って3回までアイテムを漁れる(出現アイテムはカテゴリごとに数種類から選ばれる)ジャンク屋という店があるが、ここでは一部アイテムの買い取りも行っている。初回分の支払いは必要だが、漁ったあとに買い取りを選んでアイテムを空売りすると、なぜか漁れる回数が回復し、出現アイテムも空売りアイテムに応じて変わる。店の中でこれを何度も繰り返すことで、たった1回分の料金のみで実質無限に漁れるようになり、まともに揃えるより圧倒的に少ない投資で中級のアイテムを揃えられる。 一度に複数回(最大9回)行動ができる術「オーヴァドライブ(以下OD)」中に「停滞のルーン」という術を使うと、ODが強制的に終了となるが、本来の終了時の挙動であるWP・JPが0になるということがなく、停滞のルーンの効果が解けた以降のターンはずっとOD時と同じだけ行動ができる。更にその状態で他キャラと連携をすると5連携以上の連携が可能。また、OD中に「万能油」で回復しても同様のことができる。 「V-MAX」という強化技は規定ターン終了時に「V-END」となり大幅にステータスが下がるデメリットがあるのだが、これも終了後に「万能油」を使うことでデメリットを一切無かったことにできる。 ただし「V-MAX」の効果ターン中に使うとその最中のステータス上昇効果すらも打ち消してしまうため、終了後に使う必要がある。 なお、「V-MAX」および発動中のみ使用可能な技「コズミックレイヴ」は、サンライズ制作のロボットアニメ『蒼き流星SPTレイズナー』で登場するシステムが元ネタとなっている。 魔術と妖術、印術と秘術など、術の中には対立する関係があり、片方の術を覚えていると対立する術は本来覚えられない(*51)のだが、資質を得た術と相反する術を購入した状態で、「ルーンソード(勝利のルーン)」や「パープルアイ(幻夢の一撃)」など装備品使用によって使える資質系統の術を利用することで戦闘終了後に覚えることができ、対立する術を同時持ちすることが出来る(*52)。 ブルーは資質コンプ前に心術の修行を行おうとすると「おぬしの心は二つに分かれておる」と言われ習得できないという設定があるにもかかわらず、全く同じ条件であるはずの双子のルージュは他のシナリオで仲間にした際に普通に心術を習得できてしまう。 裏解体真書でスタッフがチェックミスと認め、海外版では修正されて仲間のルージュもブルー同様の制限が加わり、通常では心術の修行に参加できなくなっている(*53)。 『FFVII』における大規模なシーケンスブレイクを起こさせるソフトとして有名。 全体攻撃が連携の1番目にしか組み込めないのは、全体攻撃同士の連携でフリーズするケースがあったための対処であることが明かされている。 ただし、仕様の穴を利用すれば全体攻撃同士の連携を実現可能。 高負荷な条件を揃えると開発スタッフが語ったようにフリーズするのかもしれないが、現在のところは確認されていない。 2018年12月3日発売の復刻ゲーム機『プレイステーション クラシック』の収録ソフトのひとつとして移植されている。 2021年5月に大手ニュースサイト『ねとらぼ調査隊』で行われた「サガシリーズ あなたが一番好きなのは?」というアンケートにおいて本作が1位に選ばれた。 その他 SFCからPSに移る際にチームの大規模な再編があり、聖剣チームが分かれてサガチームに合流した結果、結構な大所帯になったため、皆の作りたい物を同時に実現する為に編み出されたのがサガフロのリージョンだったということが後に河津氏のTwitterで明かされている。 『チョコボの不思議なダンジョン』付属の「不思議なデータディスク」には本作の各シナリオの最強データが収録されている。 ただしデータに一部不具合があり、手順によっては正常に進行できなくなるものも存在する。特にブルー編では本来初期状態で持っているはずのリージョン移動を所持していないため、再取得できる一部のイベント(オーンブルやタンザー等)を経由せず特定の進行をすると詰む可能性がある。 大量のアイテムが99個ずつ揃っている上、ヒューマン・妖魔の能力値が全99になって本来ならキャラ限定含む多くの技術を習得しており、とある方法で妖魔に技を付けられる等ありえないことが行える。 反面、WP・JPが何故か最大の250でなく200止まりだったり、通常プレイでいくらでも手に入る最強武器の一種がなかったり、メカは能力値に変更無く全プログラム習得のみ(*54)、モンスターに至っては単に初期HPを999にしただけでステータスや初期能力はそのままであり一度でも変身するとほぼ意味がない(*55)等、ところどころ片手落ちな箇所が目立ち、最強と呼ぶには疑問があったりもする。 攻略本が複数発売された中でも、現在の『アルティマニア』シリーズの前身とも言える『解体真書』(*56)が出ただけでなく、本作のみ『裏解体真書』なるものが発刊される力の入れようであり、非常に濃厚な内容となっていた。2冊ともに『解体真書』シリーズ共通の大型攻略本である。 『サガ フロンティア 解体真書』はゲーム攻略に重点を置いており、シナリオ攻略や各種データ、各地のダンジョンマップなどを掲載している。 『サガ フロンティア 裏解体真書』はシナリオやシステムに深く踏み込み、設定資料やボツネタ、小説、タイムアタックなどの企画と言った要素を盛り込んだファンブック的存在であり、後の「アルティマニアΩ」の前身とも言える。 ラストダンジョンやラスボスの攻略、変身システムの解析などは『解体真書』の方には載っておらず、『裏解体真書』にて追補の形で解説されている。これにより、二冊揃えることで完全な攻略本になるという作りだった。 『裏解体真書』にはベニー松山によって書かれた「8人目の主人公になりそこねた男」ヒューズが主人公の書き下ろし小説『ヒューズのクレイジー捜査日誌』が掲載されている。 内容は当初予定されていたヒューズ編を下敷きにしており、各主人公のシナリオに関わっていくこと自体は踏襲されている。ただし、氏によってかなり悪乗りしたギャグ寄りのアレンジが施され、色んな意味でぶっ飛んだ内容となっている。 女性キャラが全体的に暴走気味だったり、真面目なキャラがただのコメディ要員と化していたり(*57)と良くも悪くもキャラ崩壊が著しく、他にも独自解釈による自由過ぎる設定の改変、脚色は好みが分かれそうな所ではあり、「サガフロの世界で好き勝手しすぎだ」との意見もある。 しかし本編ではありえないキャラ同士の絡みや吹っ切れたギャグ描写、クライマックスの熱い展開は痛快で評判は良く、現在でもサガフロを語る上で語り草になるほどである。 ゲーム中のほぼ全ての仲間キャラクターが勢揃いしているが、たった一人のみ除外されており、当時その人物が誰かを当てるプレゼントクイズになっていた。 ちなみにそのキャラは本編のアイキャッチでも小林智美氏のイラストが見られなかったり、そもそも解体真書にすらイメージ画が載っていなかったりと、仲間キャラの中では妙に不遇な扱いを受けている(*58)。 なお、同書にはその他にもサガフロの世界観を元にした短編『ザ・キング・オブ・リージョン 97』(著・加藤義文)、『ノーマッド旅行社のリージョンツアーガイド』(著・板場利光)が収録されている。 前者はもう露骨にタイトルから分かる通りパロディ色の強いもので、キャラクター達が3人1組のチームを組んで格闘大会に出場するという相当に悪乗りしたギャグとなっている。後者は作中の舞台を無理矢理観光スポットに当てはめて宛ら本物の旅行ツアーのように案内するという完全にツッコミ待ちのネタに走った内容。どちらも本編プレイヤーなら大いに爆笑(或いは失笑)できるだろう。 『ヒューズのクレイジー捜査日誌』については、後に2020年12月15日発売のSwitch用ソフト『Sa・Ga COLLECTION』の限定版『サガ 30周年記念 BOX【神】』に付属の小説集『SaGa Re-imagining Stories』にて他のベニー氏執筆のサガ小説と共に再録されている。 同小説集は、後日単体で電子版販売の予定もある。 『解体真書』『裏解体真書』共に長らく絶版となっていたが、2021年11月5日より電子書籍版として復刻されて販売開始された。 内容は24年前当時そのままなので後述のリマスター版の追加要素の解説はないが、原作シナリオ分の攻略情報はほぼそのまま通用し、上記のように読み物としても読み応えが抜群なので、未読の人は読んでみると良いだろう。 アセルス編は全体的な雰囲気などから、前田珠子氏の長編ライトノベル作品『破妖の剣』との共通点が指摘されている。 裏解体真書に掲載された初期設定資料の「名前はアセルス。通称アス。」というのも、半人半妖である『破妖の剣』の主人公ラエスリール(通称ラス)との相似性が指摘されている。 また、「ダークファンタジーの女王」として知られる巨匠ファンタジー作家タニス・リー氏の作品との共通点も指摘されている。 ちなみにRSシリーズではタニス・リー作品由来のネタがいくつかあり河津氏が公言している(RS2に登場するオアイーブの名前などもここから) 本作発売と同時期に放映されていたアニメ『少女革命ウテナ』との共通点が指摘されたこともあるが、このアニメが放映されたのは本作の発売より3ヶ月前であり、本作の開発期間を考慮すると偶然の一致である可能性が高い。アセルス編の設定原案を担当した生田美和氏も後年、偶然の一致だと語っている。 2015年に発売されたコーエーテクモ&ガストの『よるのないくに』はシナリオを生田氏が手がけており、設定が本作のアセルス編に類似している。 + 本作のキャラも登場するインペリアル サガ(旧インサガ)/同エクリプス(インサガEC)において(ネタバレあり) PCブラウザゲーム『インペリアル サガ』(旧インサガ)にて2016年4月28日より順次実装されたシナリオ「キューブルート」は、本作で没になった「ヒューズ編」をモチーフとしており、ヒューズを中心に本作のキャラクターたちのifストーリーを描いているものとなっていた。 前述の『ヒューズのクレイジー捜査日誌』と同じくベニー松山氏がシナリオ担当しており、そちらと比べると幾分シリアス路線となってはいるが、小説版から逆輸入された設定も一部存在する。 その後継作である『インペリアル サガ エクリプス』(インサガEC)では、レッド編のエンディングに「新番組予告」として登場していた「R3X」までも実際にキャラ化されており、ストーリー(*59)でも重要なポジションとなっている。しかも作ったのはDr.クラインである。 [部分編集] サガ フロンティア リマスター 【さが ふろんてぃあ りますたー】 ジャンル RPG ※アジア版パッケージ 対応機種 プレイステーション4Nintendo SwitchWindows(Steam)iOSAndroid メディア ダウンロード専売(*60) 発売元 スクウェア・エニックス 開発元 バレット 発売日 【PS4/Switch/iOS/Android】2021年4月15日【Win】2021年4月16日 定価(税込) 【PS4/Switch/Win】4,800円【iOS/Android】4,780円 プレイ人数 1人 レーティング CERO C(15才以上対象) 判定 良作 ポイント 幻となっていたヒューズ編がついに追加アセルス編の没イベントが復活倍速と引き継ぎ機能の実装でプレイが快適に一方で一部のやり込みに不都合も 概要(リマスター) 2021年4月にPS4/Switch/Steam/iOS/Androidでリマスター版が発売(*61)。 本作はかつて2008年に電撃オンラインのリメイクして欲しいゲームランキングで9位にランクインしていた。 HDリマスターという形ではあるが年月を経て実現したことになる。 ただのリマスターに留まらず、オリジナルでは実現しなかった「ヒューズ編」が実に24年もの時を経て収録。 また、新規イベントや、アセルス編等で当時没となっていたイベントも復活収録されている。 追加点(リマスター) + 引き継ぎ機能「NEW GAME+」 引き継ぎ機能「NEW GAME+」 2周目引き継ぎ要素として「NEW GAME+」が追加された。シナリオを1本以上クリアすると下記のヒューズ編と共に解禁される。 引き継ぎ項目が細かく分類されており、特定の要素のみ引き継ぐということも可能。 オリジナル版では各シナリオを始める度に毎回育て直しとなっていたため、かなりプレイしやすくなっている。 敵の強さも引き継ぐことが出来るため、疑似的に「弱くてニューゲーム」プレイもすることが出来る。強いままならヒューマンなどの育成が容易に、弱く戻すと敵が強くなった後は入手しにくい能力やアイテムの回収が楽になったりする。 引き継ぎに選択できるセーブデータはどの時点からも可能。これにより、序盤のみを周回してアイテムをかき集めることが可能な主人公もいる。 特定シナリオでしか戦えないボス相手に何度も能力吸収を行える妖魔やモンスター、他編で入手する貴重品で強化が可能なメカなど育成の幅が広がった。 資質は引き継がれないが覚えた術は引き継げる。 初期状態で術を覚えていたキャラクターは、それを忘れさせても次周でまた初期術を再所持しているため、最初から持っている術の反術を育てて引き継ぎで初期術を再取得することで反術両方持ちも可能になった。ブルー編以外でルージュに妖術を買い与えて、引き継ぎデータのブルー編でルージュと対決して能力を合体させ、それを引き継ぐことでブルー編以外で仲間になるルージュをほとんどの術を覚えた状態にすることも可能。 なお、シナリオに大きく関わる技術やアイテムは引き継ぐことができない。 技術ではブルー&ルージュの時空術の上位術と命術、アルカイザーの真アル・フェニックス、アセルスの妖魔武具、アイテムでは済王の古墳の三種の神器、クーン編の指輪、ブルー編の三女神の腕輪などが該当し、次周に引き継ぐと消えてしまう。また、イベントで上昇するT260Gのステータスも引き継げない。 ただし、アイテムに関しては制限が緩めで、例え一点ものであろうがシナリオフラグに関係しないものであれば引き継ぐことが可能。LPと引き換えに入手できる幻魔や、エミリア編の天使のブローチ、三種の神器と引き換えで入手できる草薙の剣などは問題なく引き継いで増やすことができる。 特殊なものでは「砂の器」があり、砂を入れる前の瓶アイコンの状態ではイベントアイテムなので引き継げないが、砂を入れてアクセサリーにしてしまえば引き継げる。ただし、アクセサリーの砂の器を持っていても時術イベントは進められないので、周回毎に改めて瓶アイコンの砂の器を買う必要がある。 T260Gのオメガボディは入手した状態で引き継ぐと、次周ではボディ換装ができるようになった時点で即使えるようになる。言うまでもないが使えるのはT260G編およびラスボス直前で加入するヒューズ編T260Gシナリオのみで、それ以外はタイプ1固定となる。 + ブルー編の引き継ぎに関する仕様・ネタバレあり ブルーとルージュの引き継ぎに関しては特殊で、ブルー編かヒューズ編の双子対決イベントを経過するとその時点で双方に合体特典が適用される。 ゲーム上の処理としては、ブルーもルージュも対決直後に術関連の能力が同期され、勝ち残った方のみをパーティーに残すという形になっている。 このためどちらが勝利しても両方が術マスター状態になれるのだが、一方でブルーとルージュ自体は別人となっているため、負けた方は対決直後の時点のデータで止まってしまい、勝ち残った方を育ててもそのデータが負けた方に反映されることはない。 例えば双子対決でブルーが勝ち残り、その後ブルーに心術の修行をさせて心術をマスターした場合、引き継いで別のシナリオでルージュを仲間にしても合体直後の術マスター特典こそ反映されているものの心術は覚えていない。一方、ヒューズ編でブルーを仲間にすれば心術をマスターした状態で引き継がれている。このため、心術の修行は2人それぞれが別の周回で別々に行わなければならない。 似たケースであるRS3リマスターのハーマンとブラックのような引き継ぎ上の不具合は起こらないものの、仕様を理解していないと多少ややこしい関係となっている。 + 新シナリオ「ヒューズ編」 新シナリオ「ヒューズ編」 8人目の主人公として正式追加。ただし隠しシナリオ扱いとなっており、デフォルト7人のうち誰かのシナリオをクリアすると、それに対応したシナリオが解禁されるという形式になっている。このため、ヒューズ編と一口に言っても7通りのシナリオ(+一部はさらにルート分岐)が存在する。 クリアシナリオ 解禁されるシナリオ エミリア編 ジョーカー事件 リュート編 某重大事件 レッド編 ブラッククロス壊滅 ブルー編 双子の術士事件 アセルス編 シュライクの少女失踪事件 T260G編 最終兵器事件 クーン編 指輪の兄弟事件 通常シナリオをクリアするとヒューズ編の各シナリオの解禁フラグが立ち、未クリアのシナリオが複数残っている場合はそこからランダム選択される。現在プレイできるヒューズ編のシナリオを全てクリアしている場合はシナリオ開始時に選択肢が出る。 この形式のため、通常シナリオ→ヒューズ編と交互にプレイすることで出現シナリオを確定させることが可能。逆に先に7人をクリアしてから始めた場合は毎回ランダムになる。 ヒューズ編のシナリオは各主人公のシナリオをヒューズの視点で追うダイジェスト形式になっている。 そのため本来のダンジョン攻略などがばっさりカットされ、一つ一つのルートは非常に短く、シナリオによっては最短で進めると10分も経たないうちにラスボス戦に入る事もある。それでもリュート編よりも内容が詰まっているのが何とも。 他編同様にサブイベントなどの寄り道は可能なため、本編を放置してじっくり鍛えることもできる。むしろ各地での仲間集めが大幅にしやすくなっていることを考えると、寄り道を前提としたバランスになっていると言える。他編でヒューズ自身が関わっていた盾のカードのイベントは、当時の没ネタを再構成した個別イベントとして収録されている。 当該ルートの主人公ももちろん仲間になるが、同じ事件を追っている関係上、ラスボスのみのスポット参戦というケースが多く、その場合はNEW GAME+でなければまともに使えない。メインイベントの進行過程で自然に程よく育成が出来た他編と異なり、ヒューズ編は最短でメインイベントを進めようとすると全く育成の機会がないままラストバトルに突入してしまうため、最短攻略の場合はほぼ引き継ぎ前提となっている。 ヒューズ編のシナリオは河津氏の当時の没ネタを原案に、上記の小説やインサガのヒューズシナリオを手掛けたベニー氏も執筆に協力。小説の展開を思わせるシーンもいくつかあるが、内容自体は新規書き下ろしとなっている。 河津氏は小説をゲーム化する事も考えていたらしいが、ベニー氏の「そのままゲームに落とし込むのは厳しい」という意見から、一旦小説は忘れてヒューズのキャラクター性など部分的な要素のみを取り入れる事となった。そのため、ギャグに大きく偏っていた小説版からは軌道修正され、さらに当時公式から明かされていた未使用の裏設定も積極的に取り入れることで、従来の本編と並べても違和感の少ない内容になっている。 他編で仲間にならなかったレッドやブルーを含め、メイン7人の主人公全員を仲間にすることが可能。ブルーとルージュは択一となる。 さらに、対応する主人公の本編をクリア済であればヒューズ編内で該当のラスボスと戦うことが可能になり、現在追っている事件のラスボス以外の6体を全て倒せばメインのラスボスが最強状態に変化するというやりこみ要素もある。 やり込みレベルの強化を行っていても、各シナリオのラスボス6体分との連戦はそれなりに消耗を強いられる。長期戦を見越し、仲間を数多く集めて投入する、アイテムでの回復が容易な術を多目に使う、全快アイテムの「結界石」を消費する、などの戦略を組み立てる必要がある。 最強状態のラスボスは本当に強く、半端に鍛えていてもあっさり返り討ちにされるのが当たり前。全体回復が出来るキャラが2人いないと撃破は難しい程。 ヒューズ編のみレンを仲間にすることが可能で、オリジナル版ではほぼモブか死体としてしか出なかった彼の勇姿を見ることができる(エミリアルートを除く)。 ルートによってはメインストーリーにも関わってくる。 他編では特定シナリオ限定だったキャラもルート次第で仲間になる。キャラによってはルートに関係無く仲間にできる場合も。 ドールやラビットなどIRPOメンバーはルートに関わらず自由に加入できる(一部強制)。ヒューズとルーファスは旧知という事で、ルーンイベントでルーファスを仲間にすれば一部主人公限定だったライザも漏れなく付いてくる。 ヒューズ編各シナリオを一つでもクリアするとリマスター版の開発室に行くことが出来る。 現スタッフがオリジナル版当時のプレイヤーであった事が語られるなど、時代の流れを感じずにはいられない描写が多め。 リマスター版開発室では最強状態のラスボスをも凌ぐ強さを持つ「パープルシャドウ(*62)」と戦うことが出来る。ただし挑戦するには最強状態のラスボスを最低一体は撃破している必要がある。 バトルデータを教えてくれる「マスキャット」もおり、プレイ状況に応じた一言コメントもしてくれる。HPが異常に高い上に向こうからは一切攻撃してこないため、最高連携ダメージを狙うためのサンドバッグとして利用することも可能。 また、ヒューズ編全ルートクリア=全主人公シナリオのコンプリートを果たすと、入場前に感謝のメッセージと共に特別な演出(主要ちびキャラ集合)も見られる。 もちろん上記リマスター版開発室だけでなく、旧作通り通常シナリオ7人分(ヒューズ編は対象外)を同じシステムデータでクリアすることで、24年前のオリジナル版当時の開発2部もそのまま残されている。現在のスタッフと比較すると、当時のスタッフのキャラの濃さがよく分かる。 こちらは既に退社している人達も含め、セリフも当時ほぼそのまま再現されている(*63)。そのため「ヒューズ編が没になった」等、今作にそぐわない内容のセリフも残っている。 開発2部ではボスバトルや貴重な憑依・育成などが行えたものの、オリジナル版ではそこから外に出られないためあくまでただのオマケに過ぎなかったのだが、今回はNEW GAME+が追加されたため、ここで育成をしたデータを引き継いで別のシナリオへ持ち込むという実用的な運用も可能になっている。 グラフィックの向上 オリジナル版は3Dグラフィックをドットに起こしていた関係もあってか、リマスター版では違和感なくキャラグラフィックや背景が高画質化されている。 一部のキャラクターはデザインし直されており、イラストに近い容姿になったエミリアやルージュ等が分かりやすい。 高画質化の恩恵でT260Gのオメガボディは頭部まで細かく目視でき、オリジナル版よりも人型ロボットらしく見えるようになった。 エンディングCGも当時の雰囲気をそのまま残したまま、改めて高画質で作り直されている。 倍速機能追加 プレイ中、倍速ボタンを押すことでゲームスピードを高速化することができる。最大倍率はコンフィグで2倍か3倍に選択可能。 移動中と戦闘中それぞれで個別に設定することが可能。さらに、「閃き演出設定」をONにすると倍速状態でも閃き演出時のみ等速に戻してくれる。 UIをより遊びやすく変更 マップ上に移動可能な箇所を示すアイコンが出るようになった。コンフィグで原作のようにOFFにすることも可能。 シナリオチャートが追加され、メインシナリオの進行が分かりやすくなった。 ステータス画面で防御耐性・回避率・属性耐性の詳細が表示されたり、技術の対象・属性・効果の詳細が表示されるようになった。 剣と刀、銃と重火器、モンスター能力の各部位などのアイコンが区別されるようになったため、非常に分かりやすくなった。 パーティー編成に「Other」枠が追加され、16人以上仲間を集めても任意に入れ替えられるようになった。 この「Other」枠は戦闘メンバーに入れないと装備・術技の付け替えや戦闘に参加させることが出来ない。 装備おまかせ機能が追加。いくつかの項目があり、それに合わせた装備を自動選択してくれる。 メニュー画面から不要なアイテムを捨てることが可能になった。一部の重要アイテムは捨てられない。 術屋で該当する系統の術を捨てることが可能になった。オリジナル版では相反する系統の術を買おうとした際に一方を捨てることしかできなかったが、リマスター版では例えば陽術の店で陽術を全て捨てることが可能。 リージョンシップの移動演出を決定ボタンでスキップ可能になった。 モンスターの能力吸収は、どの技を消すかその都度選択可能になった。また、技の部位もアイコンで表示されるようになった。 会話のセリフ送りは、オリジナル版では都度ボタンを押していく必要があったが、リマスター版ではボタン押しっぱなしで自動送りされるようにあった。 アセルス編の没イベントを復活 シナリオ選択時にアセルス編にて「追加要素あり」を選ぶことで、当時未収録だったイベントが追加される。 具体的には最初のファシナトゥール脱出イベントに新たなルートが増加して3通りの展開になった他、幕間のイベントが追加されたり、終盤のゾズマ合流後に各地で「妖魔訪問イベント」が追加されている。これにより生命科学研究所・フルドの工房でのイベントも見ることが出来るようになった。 紅、ナシーラ、フルドと言ったオリジナルで描写が殆ど無かったキャラもしっかりストーリーに絡む。また、オリジナル版ではアセルス編で仲間にならなかったヌサカーンも仲間にできる。 生命科学研究所のイベントではエクストラボスだった「地竜」と戦う事になるが、本編でも最強クラスのモンスターということで、なんと戦闘のスキップが可能という親切設計。ヒューズ編のアセルスルートも同様。尤も、撃破報酬が欲しい場合は倒す必要がある点は従来と変わらない。 また、セアトや金獅子姫の台詞の「役不足」という誤用が「力不足」「荷が重かろうと」等の正しい表現に言い換えられる等、細かな修正点もあったりする。 「退却」機能追加 シナリオ選択時に「追加要素あり」を選ぶことで、オリジナル版では没になっていた「退却」機能が使用可能になる。 利便性がかなり高くなっており、退却を行うとマップ上のシンボルごと消滅する。また、敵ランクの上昇にも影響しないため、退却を何度も行っても敵の強さが跳ね上がることはない。 ただし、各種イベントボス戦や朱雀の山の宝を守る黒竜、ヨークランドの沼地で酔っ払っている最中など、退却が選択不可能になっているバトルもいくつか存在する。 なお、追加要素ありの場合は他にもシステム面で「リージョンシップに乗るだけで全回復」「アイキャッチの増加・差し替え」「一部バトル調整」といった細かい変更点が加わる。 ただし、リージョンシップの回復機能については何故かヒューズ編に登場するIRPO専用のパトカーに限り適用されない。やはり仕事用のシップでは身体が休まらないということだろうか…? ギャラリー機能追加 タイトル画面から入る事で、アイキャッチなどで使われている小林智美氏による一枚絵の閲覧や使用BGMの試聴が出来る。 セーブの仕様変更 セーブ数は、オリジナル版ではメモリーカード1枚につき最大7個+システムデータだったが、リマスター版では通常のセーブだけでも59個まで保存できるようになった。 クイックセーブがゲームをやめてもデータが残る他、新たにオートセーブ機能が追加された。これにより、予期せぬ全滅が起こってもすぐさま直前の状態からやり直す事が可能。 後のアップデートでオートセーブはOFFに設定することも可能となった。 タイトル画面の「QUICK START」はクイックセーブの方を読み込むので、オートセーブを読み込む際にはロード画面を開く必要がある。 評価点(リマスター) 全体的に非常に快適なプレイとなった。 上述の通り、UIが改良されている他、倍速・引継ぎ機能の恩恵もありオリジナル版よりもプレイ中の進行テンポが格段に良くなっている。 オリジナル版の問題点であったダンジョンマップが暗く移動出来る箇所が分かりづらかった点が、新たに加わったマップアイコン表示により事実上解決している。 技術の性能や防具の耐性が細かく表示されるようになったり、銃と重火器、モンスター能力の各部位等もアイコンがそれぞれ区別されるようになったことで非常に分かりやすくなった。 それでいて操作感覚そのものはオリジナル版をほぼそのまま継承しているため違和感が殆どない。クイックセーブやソフトリセットのショートカット操作等もそのまま引き継がれている。 ヒューズ編の追加に伴い、オリジナル版の各主人公シナリオで謎となっていたままの部分が明かされた。 オリジナル版で未回収だった裏設定を多数拾いつつ、ブルー編の後日談やエミリア編の黒幕の動機などがしっかり描写されている。 本編と違いヒューズが介入したパラレルであるため、悪役の生死など一部展開が変わっている箇所もあるが、概ね原作通りの結末を迎え、且つそれを拡充している。 リメイク等でありがちなオリジナル版当時の設定との齟齬などもほとんどなく、追加シナリオでありながら上手く落とし込まれている。 ドール、零姫などオリジナルで台詞・出番が少なかったキャラも一部掘り下げられている。違和感も少なめ。 オリジナル版ではシナリオが非常に短く、小説でもほとんど主人公扱いされていなかったリュートも、当該ルートでは真面目にストーリーに関わっている。 オリジナル版では未使用に終わりサウンドテストでしか聞けなかったBGMがゲーム本編で使用されるようになった。 それに加え、ヒューズ編のテーマ曲やラスボス曲などは本作のために伊藤氏が書き下ろした新曲である。 シナリオクリア時のアイキャッチが大幅増加。これにより、殆どのキャラの小林絵をストーリー中に堪能する事ができる。 元々、オリジナル版の時点から製作・収録はされていたのだが、実際のゲームでは半分程度しか使用されなかった。そのため、同じ絵ばかりというケースも目立っていた(*64)。リマスター版ではそれらもしっかり使用されている。 オリジナル版では一切アイキャッチが無かったリュート編にも随所にしっかりとアイキャッチが追加。エンディングでは未使用だったエンディングテーマも追加アイキャッチと共に流れるようになった。 リアルバージョンだけではなく、主人公達のちびキャラ版も収録されている。 これらのイラストはギャラリーモードでも全て閲覧可能。 なお、NEW GAMEでシナリオ開始時に「追加要素なし」を選択すればオリジナル版と同様のアイキャッチに戻すこともできる。 ヒューズ編の強化ラスボスや開発室のおまけボス 条件を満たすと戦える「最強状態のラスボス」は各シナリオに合わせて7体存在し、前述のようにいずれも非常に強力で戦い甲斐のあるボスとなっている。 最強状態のラスボスを撃破すると戦えるようになるリマスター版開発室のおまけボスはエンドコンテンツ的な位置づけで、本作最強の実力を持っている。加えて、このボスを倒した回数に応じてさらに強くなる数段階のパワーアップが存在する。 追加要素である「NEW GAME+」を駆使して限界まで鍛えまくったパーティーでも気を抜けない強さであり、オリジナル版以上にやりごたえのある内容となっている。 オリジナルにあったバグや不具合は一部修正されたが、プレイヤー有利なものはほぼ仕様として残されている。 無限ジャンク漁り、オーヴァドライヴ+万能油or停滞のルーンなど、オリジナル版にあった有用な裏技はほぼそのまま残されている。 厳密にはUIが変更されている箇所もあるため、バグを残したというよりはオリジナル版の挙動に似せてわざわざ再現したと言った方が近い。無限ジャンク漁りについてはインタビューでもわざわざ残したことが触れられている。 金売買のクレジット稼ぎについてはオリジナル版の仕様が廃止されたものの、相場システムが変更されてプレイヤーの所持数で相場が動くようになっており、バグを利用することのない正規の方法としてオリジナル版以上に手軽にクレジット稼ぎが可能になっている。 一方、アセルス編で序盤からグリフォンと戦える、ヨークランドで空中歩行などシナリオに影響が出たりハマリの可能性があるものは消されている。 ルージュの心術の修行についても海外版準拠で対決イベントを行っていないと参加できないようになった。 さらにリマスター版独自の現象として新たに妖魔が心術を購入できるようになったり、後述のカーソルバグ等、オリジナル版には存在しない有利な現象もある。 賛否両論点(リマスター) 追加要素ありとはいえ、旧作のリマスターかつダウンロード専売にしては少々強気な価格設定。 5000円台に近いため、十分パッケージ版も出せる値段と言える。 ちなみに日本版や欧米版ではリマスター版のパッケージが出ていないものの、東南アジアのSwitch版のみパッケージ販売が行われており、一部で輸入販売もされている。リージョンフリーかつ日本語も普通に入っているため、パッケージ版でも問題なくプレイ可能。PS4版も当初は予定されていたが中止になった。 その後、2022年8月25日にアークシステムワークス・アジアより改めて韓国でSwitch PS4版の各パッケージ版が発売。こちらはパッケージロゴがハングルになっている他、約60ページの「プレイヤーズマニュアル」(韓国語)が付属している。中身そのものはDL版と同じ。 なお、Steam版は海外サイトで販売されているSteamキーを登録しても問題なく日本語で遊ぶことが可能なため、海外で買った方が大幅に安いという現象が起きている。 ヒューズ編でも全員を同時に仲間にすることは不可能。 ヒューズ編では主人公7人を同時加入することが可能になったが、それ以外の仲間はヒューズが追っている事件シナリオの内容に左右されるため、特定のシナリオのみ加入可能となるキャラクターが何名かいる。 一応、ヒューズ編全体で見れば全員漏れなく仲間としては登場するのだが、実質的にヒューズが主人公の別シナリオが7つ存在するだけであるため、それぞれのシナリオ展開は完全に独立している。 極端な例ではレッドシナリオで仲間にできないBJ K、T260Gシナリオで仲間にできないpzkwV等、元のシナリオとは加入可否が異なるケースもある。残念ながらヒューズ編においてもメカ全員が同時に集結するシナリオは存在しない。 さらに事件のメインキャラはラストバトル直前のスポット参戦で育成が一切できないというケースも多いため、イルドゥン・赤カブ・艦長などは元のシナリオで育成するしかない。 また、ヒューズ編では当然ながら主人公のヒューズ自身を第1パーティーから外せないのだが、新たなやり込み要素がヒューズ編に集中している関係上、ヒューズの使用が必須となる。これによりパーティー選択の自由度がやや下がってしまっている。 この点については、リュート編のリュートのようにヒューズも外せるようにしてほしかったという声もある。そうなるとリュート編の個性がさらに薄くなるが 妖魔の運用方法の変化 前述の通り引き継ぎによってアイテムの持ち越しができるようになったため、それによって妖魔は旧作と大きくバランスが異なっている。 妖魔の鎧以外に精神耐性を持つ防具は、主人公の最大LPを削って入手する「トウテツパターン」、エミリア編限定の「天使のブローチ」しかなかったが、両方とも持ち越しで増殖できるため「防御力は低いが精神異常耐性に優れる」という妖魔の優位点が相対的に低下した。 一方で同様に最大LPと引き換えに入手する「幻魔」や、一度装備すると外せないため装備欄を圧迫するバッドアイテムの一種という側面を持っていた「グリランドリー」、本来なら戦闘機会が限られる全ステータス+25の憑依モンスター「マリーチ」や「麒麟」など、強力な補正を持つ装備や憑依を持ち越して増殖できる事によりステータスの強化は容易になっている。 これらの影響で、元々耐性面のみ他の妖魔に劣っていたメサルティムは弱点がほぼカバーされた上にステータスも強化されることになり、下級妖魔という設定とは裏腹にオリジナル版以上に最強の妖魔と言える存在になっている。 また、サイレンスはオリジナル版ではオーンブルに行ったにもかかわらず陰術の資質を得られず後で陽術の資質を得ることしかできなかったが、リマスター版の追加要素ありでは陰術の資質を自動で得るようになったため、逆に陽術の資質は得られなくなった。これはオーンブルを経由せずにルミナスで直接仲間にできるヒューズ編でも同様。 しかし、本作では陽術の方が陰術より有用な術が多いため、結果的に弱体化してしまった形になる。 一応「追加要素なし」ならオリジナル版と同様に陰術の資質を取れないため陽術の資質を得ることが可能なのだが、仮にここで陽術を得ても、このデータを引き継いでNEW GAME+を開始して(自動的に追加要素がONになった状態で)サイレンスを仲間にすると、「陽術を持っていると入れないオーンブルに行った」という設定が厳密に反映されてしまい、陰術の資質を得た上で覚えていたはずの陽術が全て消されてしまう。そのため、陽術の上位術を使える状態のサイレンスは本作ではかなり希少となってしまった。 なお、これに関しても抜け道はあり、ヒューズ編のアセルスシナリオではサイレンスが終盤に針の城で自動加入するのだが、この場合のみサイレンスがルミナスに行かないため陰術の資質を取らず、引き継いだ陽術を消されることもない。しかしこの状態では城の外には出られず新たに資質を得ることもできないため、光の剣や超風を使えるサイレンスをずっと保持したい場合は一旦追加要素なしで覚えさせた後、ヒューズ編アセルスシナリオ以外では今後一切仲間にしないという大きな縛りが掛かってしまう。 モンスター能力の仕様 前述のようにモンスター能力は吸収時にどれを消すか選択可能になったが、一番下の能力が入れ替え対象のオリジナル版に対し、リマスター版ではカーソルのデフォルトが一番上になっている。そのため、連打でうっかり大事な能力を消してしまうという事故が起きやすい。 一応、オリジナル版とは逆に不要な能力を一番上に配置すれば対策可能だが、「死の属性」「ファイアーバリア」等の能力欄に出ない能力を一番上に吸収すると、次回の戦闘で前回選択した技が1つズレてしまうという欠点もある。 空欄がある場合は強制で能力を吸収するようになったため8個全て集めるまでは能力を消せなくなり、序盤で不要な能力を消しながら必要な能力を集めるということが難しくなった。 UIが進歩したものの、モンスター能力の吸収履歴は未実装。モンスターを極めるためにはゲーム外でメモ必須なのはオリジナル版そのままとなっている。 特にリマスター版では「NEW GAME+」で編をまたいで能力吸収ができるようになったため、全吸収を目指す場合はオリジナル版以上に気を使う必要がある。 「NEW GAME+」では、ヒューマン・妖魔・メカは技術装備欄がデフォルト状態にリセットされるが、モンスターに限り封印機能がないため「モンスター能力」を引き継ぐと能力欄もそのままとなる。 これにより、麒麟や済王など二度と吸収できない能力を初期所持しているキャラクターは、該当の能力を一度消してしまうとモンスター能力を引き継ぐ限りは元に戻せなくなってしまう。 モンスター能力を引き継がないことで初期状態には戻せるのだが、これを選ぶとそれまでに吸収した能力の履歴も全てリセットされてしまうため、実質的には戻せないものと思っていい。 ランクが固定される敵系統の仕様変更 オリジナル版では上述のように主人公によってランクが固定される敵系統がそれぞれ異なっていた。一方でリマスター版では全主人公共通で獣系モンスターのみランク固定、それ以外は変動あり(現在から2ランク下まで揺れる)という仕様に変更されている。 やり込みに関して大きく影響するのは、クーンやアセルスのように旧版で全系統ランク固定だった主人公でも獣系以外でランク揺れが起きるようになった点。特に、武王の古墳の小さい宝箱から出る魔生命系からランク7の「魔鏡」を狙って出したい場合などは、ランク揺れのせいでこれらの主人公のシナリオにおいても狙って出すことが少々難しくなった。一方で、ランク揺れが起きやすくなったことでランクを上げすぎても下位の敵と戦いやすくなったというメリットも生まれている。 逆に獣系については、旧版でランク揺れが起きていた主人公でも現在のランクで固定されるようになったため、こちらも注意が必要となっている。 退却機能の追加は利便性を大きく向上させたが、あまりに便利過ぎてゲームとしての緊張感を損なっている印象も否めない。 RS3はダッシュ時にエンカウントすると陣形効果を失う反面、敵の背後/側面からエンカウントすると先制できるという仕様であった。退却自体はいつでも可能なものの敵シンボルは消えず、エンカウント次第では有利にも不利にもなるというシステム・バランスである。 一方でSF1には陣形効果や先制攻撃のシステムはなく、逃げられない反面いつでもクイックセーブが一瞬で可能…という仕様。つまりエンカウント自体にメリット・デメリットはなく、退却機能はないが代替処置は用意されている、これがSF1のバランスである。 しかし本作では退却機能の実装により、事前にいつでもクイックセーブ可能、いつでも退却可能、退却しても戦闘ランクは上がらない、更には敵シンボルが消滅するという、完全ノーリスクで戦闘を回避できるプレイヤーに一方的に有利なバランスになってしまっている。特に敵シンボル消滅の効果は絶大で、サガシリーズの特徴であった敵避けをする必要が全くと言っていいほどなくなってしまった。 勿論利便性の向上自体は嬉しいものだが、後のSF2やミンサガと比較しても、ユーザーフレンドリーが行き過ぎている。 問題点(リマスター) 「追加要素あり」でもアセルス編以外はほぼイベントの追加無し。 各地の思わせぶりな無意味オブジェクトはそのままで、レッド編でのユリアの好感度によるエンディングの変化と言った他の没ネタも復活収録はされていない。サブイベントがほぼ術関連のものしかないという点もオリジナルそのまま。 これは元々オリジナル版にアセルス編の没イベントがテキスト丸ごと残っていたのに対し、他は復元が出来ないほどにイベントが形骸化してしまっている事も大きい。 一応、レッド編のベルヴァ基地の開かずの宝箱が開くようになった、レッド編のブラックレイ脱出時やT260G編ラストダンジョンにアナウンスが追加されて仕組みが判りやすくなっている、クーン編のタンザーの休憩所でLPだけでなくWP・JPも全回復するように変更、といった程度の細かい追加はある。 その一方で、ヒューズ編においてはアセルスルートのエンディングが分岐せず固定。 内容自体は上述の小説版に近いグッドエンド寄りの結末(*65)と言った所で決して後味は悪くないのだが、エミリアルートはヒューズ編でも本編と同様にルート・エンディングの分岐があり、ブルールートも同じくブルーかルージュで分岐するのに、本編で3種類もエンディングがあったアセルスルートで一切分岐無しは物足りない。 一応、こちらの場合は「人間のヒューズが倒したことによりオルロワージュが力を失うのみで滅ばない」という違いがあるため、アセルスも必然的に現状維持の半妖のままとなり分岐自体が起こり得ないと考えることもできる。 RS3のリマスター版に引き続き、相変わらず追加要素が少ない。 本作の追加要素はヒューズ編と、システムやUI面の追加・改良に集中しており、ゲームプレイ面の追加要素はほぼない。評価の高かったRS2とは異なり、武器・防具・新たな敵・隠しダンジョン等の追加は一切なく、悪い意味でプレーンな印象を受ける。 ショップの品揃えは旧版そっくりそのままで、商品の追加や入れ替えなどはない。旧版で『不思議なデータディスク』使用時のみ入手可能だった「ミラクルブレード」や「純白のドレス」等の没アイテムは入手不可のまま。一応、一部のダンジョンの宝箱の中身がより良いものに変わっているが、これも既に海外版で変更されていたものを反映しただけである。 バグ修正により旧版では発動できなかった「当て身走り」が発動可能になった(*66)が、それ以外に新技の追加等はない。「乱れ雪月花」も連携限定技であり、『裏解体新書』の小説でゲンが放っていた「一人雪月花」はプレイヤー側は実現不可のまま(*67)。 ゾズマしか使えず上位術が敵専用の「邪術」や、零姫限定の「幻術」等も、やはり他のキャラクターへの習得手段は存在しないまま。没魔術「リジェネレイション」(*68)等も日の目を見ることはなかった。 エミリア編でコスチュームを変更する際の閃き適性の設定が旧版のまま修正されていない。ただし「NEW GAME+」によりウェディングドレスを含めたコスチュームの入手フラグも引き継げるようにはなっている。 仲間キャラクターの追加も「レン」一人のみで、それ以外の追加キャラクターは一切なし。アルカールはレッド編冒頭のOPイベントのみ、タイプ7の汎用メカが宿屋の主人のみの登場で加入しない等の点は据え置きとなっている(*69)。そのレンも、ヒューズ編の解禁が他主人公クリア後、かつヒューズ編限定キャラのため、周回プレイの恩恵を得にくくありがたみが薄い。 一応、レンの加入自体は非常に楽であり、WILが伸びやすく銃使いに向いている他、旧版で未使用だった体術の上位技を閃きやすい閃きテーブルを持つという特徴があるが、言ってしまえばごく普通のヒューマンであるため彼のみの個性というものは薄い。 ヒューズ編は「他主人公のストーリーに介入する」というシナリオの都合から、ヒューズ編固有のラスボスが存在しない。追加要素の少なかったリマスター版RS3ですら敵キャラクターの追加はあったが、本作ではそれすらもなくなってしまっている。 一応、前述の超強化された各ラスボスやリマスター版開発室のおまけボスが追加の敵と言えなくもないが、言ってしまえばこれらの強化ボスは全て既存グラフィックの流用であり、目新しさはない。 また、各主人公にはラスダンや限定リージョン等に多数の固有BGMがあったが、ヒューズ編は内容の薄さからこれらが非常に少ない。 ヒューズ編で戦える強化ボスの解禁条件の面倒くささ。 強化ボスと戦うには、まずヒューズ以外の各主人公を全て攻略した上で、ヒューズ編にて各主人公を全員仲間にする必要がある。そして最終決戦前の待合室で、各主人公の最終ボスを全て撃破する。これでヒューズ編開始時に選択したシナリオのボスが強化される。 強化ボスに挑むのなら相応に鍛えているはずなので、この「各主人公の最終ボスを全て撃破」自体は大して難しいものではない。また、強化ボス撃破のトロフィーが用意されているが、いずれか1体だけ撃破すればいいので、この面倒な作業もさほど苦ではない。しかしやり込み等で全強化ボス撃破を狙うなら話は別。挑む前に毎回全ボス撃破を要求されるため、一気に面倒くささが加速する。付いたあだ名がラスボススタンプラリー。もうちょっとマシな仕様にはできなかったのか…。 アセルス編は没イベントの復活や仕様変更に伴い、一部のやり込みがしづらくなっている。 「NEW GAME+」での装備・技術変更が面倒。 新たに追加されたNEW GAME+でアイテムや技術を引き継いで何周もプレイすることが可能になったのだが、引き継いでのスタート直後は装備・技術欄がほぼ全てデフォルト状態にリセットされてしまうため、毎回付け直し作業が必要となる。ヒューズ編など短めのシナリオを周回した場合は特に目立ってしまう。 自動で装備してくれるおまかせ機能も一応あるのだが、これも頭がいいとは言い難く、特にメカに関しては単純に特定の能力しか考慮しない装備になってしまうことが多い。 オリジナル版では技術を装備する際にL1・R1ボタンで別の系統の枠へ一瞬で切り替えできたのだが、リマスター版ではこれに絡むバグを回避するためか廃止されてしまったため、さらに面倒なことになっている。 ライフダメージ効果の修正。 秘術「死神」及び邪術「呪殺」は、旧作のライフダメージ効果(*70)から単なる気絶効果に変更されている。 失敗時に自身へライフダメージが来る点はそのままなので、敵への効果のみ変更された形となる。 旧作ではリスクと引き換えに耐性のない一部ボスを倒すのに適していたギャンブル性の高い技であったが、気絶効果ならもっと有用な技が他にあるので、リマスター版では単にリスクだけ大きくリターンが見合わない技になってしまった。 今回のリマスターではプレイヤー有利なバグ・裏技の多くが残されているのに、バランス調整のためだとしても何故かこれだけ修正されてしまったのは腑に落ちない事態となっている。なお、これについては既に海外版で修正済だったのではないかとも言われており、今回が海外版ベースのリマスターだったことも影響している可能性がある。 敵専用の「デスグリップ」や「マグマタッチ」等はライフダメージ効果がそのままとなっているため、味方が使用できるライフダメージ手段のみ消滅したことになる。 アイキャッチはオリジナル版から大幅に増加しており、これそのものは純粋な評価点である。 しかし、画面比率の変更の関係で上下がカットされる形になっており、画質が上がった反面キャラの全身が映らなくなった。 また、追加アイキャッチも元々オリジナル版で没になっていたものを編集したのみであり、新たに作られたアイキャッチは殆どない(*71)。そのため、イルドゥン・セアト・ラスタバンは小林氏のイラストが存在しながらも、今回もゲームへのイラスト収録は適わなかった。 セーブデータが自由に消せない。 前述の通りセーブデータ保存数は、クイック・オート含めて59個+と大幅に増加したが、これらのデータは個別に削除できない。例えば操作ミス等で誤って変な場所に保存してしまうと、二度と空欄に戻す事ができず、延々と残り続けてしまう。オリジナル版では任意のセーブデータの個別削除が可能だったため、この点はオリジナル版から劣化してしまったと言える。 使っているハード本体から削除しようにも、本作はゲーム全体のセーブデータが1個のファイル扱いになっている。そのためこれを迂闊に消してしまうと、クリア状況やシステムデータまでも全てまとめて消去する事になってしまう。 クイックセーブも同様で、一旦作ると二度と消す事が不可能であり、上書きを続けるしかない。これによる弊害はタイトル画面のデフォルトカーソルが「QUICK START」に合わさっている点であり、連打するとクイックセーブが読み込まれてしまう。リマスター版はオートセーブが自動保存されるようになったのだが、全滅直後に再開しようとして連打でQUICK STARTを選んでしまい古いクイックセーブが読み込まれてしまうという事態が起こりやすい。全滅後はカーソルを動かして「LOAD GAME」を選び、手動でオートセーブを選択してロードする必要がある。 システムデータの扱い オリジナル版ではゲーム開始時にシステムデータを作成し、このシステムデータを利用してゲームの進行状況や敵ランク、旧開発2部へのクリアカウント等を保存する形式となっていた。 リマスター版でも上記の点は変わっていないのだが、ややこしいことにゲーム全体の「マスターデータ」というべきものでもシナリオのクリア状況を別に保存しており、ヒューズ編の出現状況やクリアカウント等はシステムデータではなくマスターデータの方を参照している。 このため、本作にはシステム関連のデータとして「プレイヤーが任意に作成するシステムデータ」と「自動保存されるゲーム全体のマスターデータ」の2種類が混在するというややこしい事になってしまっている。 旧開発2部へ行くには同一のシステムデータを使って7人クリアしなければならないのだが、途中でシステムデータを作り直したりシステムデータを利用せずクリアした場合はタイトル画面に表示される★マークと一致しないことになるため、視覚的に分かりづらくなってしまっている。 リマスター版開発室で確認できる連携ダメージや退却回数等はマスターデータの方を参照しているため、システムデータを作り直してもリセットはできない。 うっかり操作ミスで退却した場合も回数が勝手に記録されてしまう上、退却回数が多い場合は開発室でデータを教えてくれるマスキャットから「ちょっと逃げすぎじゃぁないかな?」と煽られることがあるため、人によっては不快になるだろう。 ゲーム内でも2種類のシステム関連データが混在している影響か、旧開発2部で確認できる総クリア数と純クリア数の数値が本来と異なる異常な値になったり、システムデータを使用せずリマスター版開発室に行くと名前が抜けた「くん」と呼ばれる等の不具合が存在する。 また、「システムデータなんか必要ない!」を選んで始めた場合、クリア時にシステムデータを上書きしてしまうと名無しのデータで過去のシステムデータを上書きしてしまう。旧版ではシステムデータが異なる場合は上書きセーブ自体ができなかったが、リマスター版ではそのまま上書きセーブできてしまう。 これを一度でも行ってしまうと、システムデータの名前が「(空欄)」、星座が「おひつじ座」、血液型が「なぜだ!」に上書きされてしまい、開発室で名前が抜けた「くん」と呼ばれるようになってしまう。ただし、名無しデータで上書きする場合は、旧作開発2部に行くためのクリアカウントが既存のシステムデータから累計される。名前等を再びきちんとしたものに直したい場合は改めて新規にシステムデータを作り直すしかない。 退却回数のカウント 上記のリマスター版開発室のマスキャットにも関係するのだが、本作ではゲーム全体を通しての通算退却回数が記録される。しかし、一部で「退却」コマンド以外でもこの数値が加算される状況が確認されている。 具体的に判明しているのは、「術屋で術の説明戦闘に入った後に終了で抜ける」行為。こちらは本来退却が出来ないバトルなのに加算されてしまい、しかも説明戦闘を抜ける手段であるため、説明を聞いた時点で不可避となってしまっている。退却が不可能となっているはずの「追加要素なし」でも当然加算されてしまう。 数値の記録は各種セーブ(オートセーブ含む)の際に一緒に行われるため、気になる場合はアップデートで追加されたオートセーブOFF機能を設定しておくことで一応回避は可能。 なお、前述のように退却回数が多い場合の反応は用意されている一方で、退却回数ゼロの場合の特別なセリフなどは一切存在しない。本作で追加された退却システムは非常に便利であり、有効活用しないのは流石に勿体ないため、よっぽど気になるプレイヤーでもない限りは気にする程のことではない。 マップアイコン表示の仕様 元々マップを把握し辛い作品ため、行き先を分かりやすくするマップアイコンの追加自体は歓迎されたものの、その仕様について下記のような難点もいくつか見られる。 マップアイコンをONにした場合、現在移動できない場所も含めて必ず矢印アイコンを表示してしまう。特定主人公の時のみ開く入り口等、現在プレイしているシナリオでは絶対に入れない場所にも例外なくアイコンが現れるため、初見の場合は混乱を招く事態となっている。 矢印アイコンは別マップへの出入口のみに表示され、隠し扉を開くためのスイッチ等は対象外となる。これが何を意味するかと言うと、例えば隠しスイッチを押して床が開く等の仕掛けがある場所では「一見何もない床」のみに直接矢印アイコンが現れてしまい、そのまま見た目に騙されてその場に行ったとしても何も起こらない。この場合は隠しスイッチを自力で探す必要があるが、前述の絶対入れない場所などの仕様も合わさり、本当に開くための仕掛けが何処かにあるのかアイコンが素直に信用できないという事にもなってしまっている。 また、明らかに隠されている抜け道等にも問答無用で矢印アイコンを表示してしまうため、盛大なネタバレになってしまう箇所もある。逆に、ダミーのトラップ扉等はアイコンが出ないためこちらも罠である事が丸わかりになってしまっている。これらについては、一応設定でOFFにすることでオリジナル版と同様のノーヒントにもできるが。 総評(リマスター) ヒューズ編の追加とアセルス編の没イベントの復活はファンにとっては感涙ものの追加要素。 オリジナル版の雰囲気や操作感を違和感なく再現しつつ、倍速と戦闘退却、引き継ぎなどの機能追加によりオリジナル版以上にストレスフリーな作りとなった事も大きい。 従来のファンは勿論、新規プレイヤーにとってもさらに入り込みやすい作品になったと言えるだろう。 余談(リマスター) イベントの細かいテキストなどにもオリジナルから修正されている部分がある。 例えばアセルス編では「役不足」を「能力が足りない」という意味で誤用していたのだが、「力不足」「荷が重かろうと」といったより正しい表現に代替されている。 他にも「気でも触れたか」「狂わせる」「女は怖い」など現代では問題がありそうな表現の多くが別の台詞に置き換えられている。T260G編の「タイムが、さわられた??? ローズじゃなくて?」といった人気のセリフも残念ながら修正されてしまった。ただしエミリア編冒頭の「狂ってるわ。あんた狂ってるわよ。」は未修正。 「出来る」がほぼ全てひらがなの「できる」に置換、「頂く」「下さい」を補助動詞として使っている箇所は「いただく」「ください」にするなど、文法的により正しい表現へ修正されている箇所も多く見られる。 レッド編に登場したバッグのブランド名はオリジナルでは「BUCCI」だったのが「APOLLON」と全く別の名前に変更されている。「BUCCI」だと「GUCCI」のパロディとして露骨だったのだろうか。 技術の名称も一部変わっており、差別用語にあたる「矮人(*72)のルーン」が「脱力のルーン」に、映画の元ネタを回避するためか「ビートルジュース」が「インセクトジュース」になっている。 細かいところでは、武器攻撃力アップを示す表示がオリジナル版で「WEA UP」だったものが「WPN UP」に変わっている。どちらもWEAPON(武器)の略だが、オリジナル版ではwear(衣類)と紛らわしかったのが原因だろうか。 一部のデザイン変更。 印術のルーンのデザインはオリジナル版では現実のルーン文字に則したものになっていたが、リマスター版では配慮のためか大きくデザインが変わり、全体的に丸みを帯びたものにリニューアルされている。 他にも心術の修行場の仏像がイケメンになっているなど、オリジナル版から変更が加わっている箇所がある。 ブルー編ラストダンジョンでは、そこにしか出現しない強力なモンスターが守っている宝があるのだが、オリジナルだと苦労に見合わないようなショボいアクセサリーだった。 リマスター版ではなんとこれが最強クラスの武器に差し替えられている。オリジナル版をやり込んだプレイヤーほど「あの宝はどうせ大した事ない」とスルーしてしまいがちなトラップになっている。 なお元々これは海外版からの変更であるため、リマスター版でもそれに準拠した形になる。代わりに宝箱の中身が変わったことでウインドシェルが地獄で入手できなくなり、稼ぐのがやや面倒になっている。 アセルス編復活収録イベントの一つで「別リージョンに繋がっている焼却炉に飛び込んでファシナトゥールを脱出する」というルートがある。炎に身を投じたアセルス達は一度燃えた後、肉体が再生されるのだが服は戻らず、着替えを貰うまで裸に服の燃えカスを纏った状態になる。 しかし実はオリジナル版では完全に全裸となるはずであり、そのドットも用意されていた。本作では流石に全裸は無理だったようで、前述のように燃えカスが追加されている。 ただしこの変更によりヴァジュイールが「僅かな燃えカスから元の服を復元した」と取れるような内容となったため、全裸から新しい服が与えられたように見えるオリジナル版よりは納得できる展開ともなっている。 河津氏曰く、オリジナルでこのイベントが没になった理由は「焼却炉に飛び込むシーンまで手が回らなかった」だそうだが、本当にそれだけなのだろうか…? 本リマスターのプロデューサーはRS3リマスターや『リ・ユニバース』の市川Pに代わり、『サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY』や『サガ3時空の覇者 Shadow or Light』を手掛けた三浦宏之Pが担当している。 開発元もRS2・3リマスターのアルテピアッツァから、新たにバレットへと交替。(*73) 三浦P+バレットの組み合わせは、その後2022年発売の『ロマンシング サガ -ミンストレルソング- リマスター』でも引き継がれている。 丁寧な作りによるものか、同時期の『Sa・Ga COLLECTION』と共に予想を遥かに上回った売上となったことが語られており、特に本作は当初の想定よりも多くのSteam版購入者が存在したとのことでスタッフを驚かせた模様。また、本作はSwitch版が最も多く売れたということが公式インタビュー(英語)で語られている。 2022年に入ってから、Steam版・スマートフォン版限定で新たなバグが発見された。(解説動画) 「カーソルバグ」と呼ばれており、PCのマウスクリックかスマホのタップ操作とカーソル移動の同時操作を組み合わせる原理のため、家庭用ハード版では実行できない模様。 このバグを使用することで、ヒューマンや妖魔の武器欄に防具を移動して同時に防具を5個以上装備可能になる、モンスターの隠し装備を入手できる、妖魔の妖魔武具を技術欄から封印したり術を8個付けられるなど、様々な応用が可能。 2種類の操作を併用する上にタイミング自体がシビアなため意図して行わないとまず発生せず、様々なやり込みに応用できたり、元々不遇気味だったモンスターや妖魔を強化できるため、元から存在したプレイヤー有利なバグと同様に特に問題視はされていない。